クオンタムソリューションズ、日本上場企業でETH保有量首位に Web3金融基盤強化へ戦略的取得を加速

2025年10月23日、クオンタムソリューションズ株式会社(東証コード:2338)は、グループ全体で3,865.84ETH(約1,585万米ドル)を保有し、日本の上場企業で最大水準に達したと発表した。
連結子会社による2,000ETH超の追加取得を通じ、同社はWeb3金融インフラの中核を担う存在へと歩を進めている。
クオンタムソリューションズ、ETH大量取得で国内首位水準へ
クオンタムソリューションズ(※)は、香港法人GPT Pals Studio Limitedを通じ、10月21日に2,000.13ETH(約785万米ドル)を新たに取得した。これにより同社グループのETH保有残高は3,865.84ETHに拡大した。
CoinGeckoが公開する「Ethereum Treasuries」(2025年10月22日時点)によれば、この水準は日本の上場企業として実質首位に位置する。
同社はこれまでも段階的なETH取得を進めてきたが、今回の追加購入は「デジタル資産リザーブ戦略」を一層加速させるものだ。
10月14日に発行した新株予約権および転換社債型新株予約権付社債による資金調達を背景に、ETHの長期保有方針を明確化した。
ETH(イーサリアム)は、スマートコントラクト技術を基盤とする分散型アプリケーション(DeFi、ステーブルコインなど)の要であり、今後のデジタル経済の中核通貨として注目される。
同社代表のFrancis B. Zhou氏は「今回の大規模なETH追加取得は、当社がグローバルWeb3経済圏における存在感をさらに高め、日本市場においてWeb3金融基盤構築のリーディングカンパニーとしての地位をより明確にする重要な一歩です。」とコメント。
今後もETHを中核とするデジタル資産戦略を企業財務の柱に据え、長期的な価値創造と株主還元を両立させる方針を示した。
※クオンタムソリューションズ:東京証券取引所上場の企業で、AI技術の統合開発、次世代データセンター、Web3アプリケーション、IPコンテンツ技術に注力。アジア太平洋地域における資本と技術の橋渡しを目指す。
イーサリアム:https://plus-web3.com/media/ethereum/
Web3金融の中核へ 長期的な価値創出が狙いか
クオンタムソリューションズによるETHの大規模取得は、上場企業として先進的な取り組みだ。
同社が掲げる「デジタル資産リザーブ戦略」は、企業の財務基盤を単なる法定通貨依存から脱却させ、ブロックチェーン経済と直接連動する新しい企業モデルの構築を可能にするという点で意義が大きい。同社の保有は単なる投機ではなく、インフラ構築への参加を意味するものだろう。
一方で、デジタル資産の価格変動リスクは依然として大きいため、会計上の評価損益が財務健全性に影響する懸念も残る。規制整備の進展によっては、保有資産の扱いや開示義務が変化する可能性もあるため、戦略の柔軟な見直しが求められる局面も想定される。
それでも、企業が自らブロックチェーン資産を保有し、AIや分散型金融の基盤として活用する動きは、国内のWeb3エコノミー拡大を後押しする契機となるだろう。
クオンタムソリューションズの事例は、企業がブロックチェーン資産を単なる投資対象ではなく「事業基盤の一部」として捉える転換点を示すものだと言える。
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