日本郵政キャピタル、SUSHI TOP MARKETINGに出資 NFT活用で顧客体験DX加速

2025年10月22日、日本郵政キャピタルはSUSHI TOP MARKETING株式会社へのシリーズA 3rdラウンド出資を実行したと発表した。ブロックチェーン技術を活用したNFT施策を通じ、郵便局を拠点とした地域共創と新たな顧客体験の創出が狙いである。
SUSHI TOP MARKETING、ウォレットレスNFTで地域DXを推進
SUSHI TOP MARKETINGは、特許取得済みのウォレットレスNFT配布技術(※)を軸に、生活者がWeb3を意識せずNFTに触れられる体験を提供している。
オフライン行動とオンライン上の関係性を結びつけ、従来は可視化が難しかった「人の流れ」や「興味・関心」をデータ化する点が特徴だ。
日本郵政キャピタルは、この技術と全国の郵便局ネットワークを組み合わせることで、地域活性化や新規顧客体験の創出に貢献できると判断した。
すでに島根県・石見銀山や宮城県・東松島市では郵便局を起点としたNFT施策が開始され、関係人口の増加や地域経済への好影響が報告されている。
今回の出資により、両社はパートナーシップを強化し、地域共創のモデルを日本郵政グループ全体に拡大する方針だ。これにより、ブロックチェーン技術を用いた新しい社会インフラの構築を目指す。
SUSHI TOP MARKETINGの徳永大輔社長は、「ブロックチェーンという先進技術を、一部の人々のものではなく、この国に暮らす誰もがごく自然に使える社会インフラへと進化させる」と意欲を示している。
日本郵政キャピタルの田中智矩マネージャーも、「(SUSHI TOP MARKETINGの技術は、)全国の郵便局という我々のリアルな顧客接点の価値を飛躍的に高めるもの」と期待を寄せた。
※ウォレットレスNFT配布技術:ユーザーが暗号資産用ウォレットを持たなくてもNFTを受け取り・利用できる技術。
郵便局拠点とNFT融合の意義 顧客体験向上と地域活性化の両立
この出資は、Web3技術を日常生活に自然に組み込む可能性を示す。
オフライン拠点とオンライン資産の融合により、地域住民や観光客はNFTを介して新しい価値体験を得られる点が大きなメリットだ。また、関係人口の拡大や地域経済の活性化にもつながると期待される。
一方で、NFTやブロックチェーンは技術理解が必要であり、利用者側の理解不足が普及の障壁となり得る。また、システム運用やセキュリティ面のリスク管理も求められる。
今後は、SUSHI TOP MARKETINGの技術を全国規模で展開することにより、郵便局を中心とした地域DXのモデルケースが増える可能性がある。成功すれば、郵便局が新たな社会インフラとしての役割を果たす未来も見えてくるだろう。
さらに、企業間の協働により、地域課題の解決と顧客体験向上を同時に進める「共創型モデル」の確立も期待される。他業種や自治体への波及効果も見込まれ、ブロックチェーンを活用した社会実装における先駆的事例となるかもしれない。
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