U-NEXT、「Road to 2030」を発表 音楽サブスクとスポーツベッティング参入を計画

2025年10月14日、U-NEXT HOLDINGSは2026年8月期を初年度とする中期経営計画「Road to 2030」を発表した。
持続的成長と未来型価値創造を掲げ、音楽サブスクリプションサービスの開発やスポーツベッティング分野への参入検討など、新規事業の展開方針を明らかにした。
「Road to 2030」で音楽配信と新規領域に進出へ
U-NEXT HOLDINGSは10月14日、5カ年の中期経営計画「Road to 2030」を策定した。
これまでBtoB向けにUSEN事業や店舗ソリューションを、BtoC向けに動画配信サービス「U-NEXT」を展開してきた同社は、今後の成長戦略として「ユーザー基盤の強化」と「収益機会の拡大」を二本柱に掲げる。
ユーザー基盤強化では、「Rakuten最強U-NEXT」や「U-NEXT MOBILE」などのモバイルセットプランを通じ、新規ユーザー拡大と解約率低下を目指す。
また、オリジナルIP(※)や独占配信コンテンツの拡充による差別化を進める。
加入者数が計画を上回れば、中期計画全体の業績上振れ要因になると見込まれている。
一方、収益機会の拡大では、海外展開に加えて新たな付加価値の創出に取り組む。
特に注目されるのが、現在開発中の「音楽サブスクリプションサービス」だ。U-NEXTに追加する構想だとしている。
また、スポーツライブ配信で培ったノウハウを応用し、公営競技・スポーツベッティング領域への参入も検討しているという。
※IP(Intellectual Property):知的財産の略称。ここでは、映画・アニメ・音楽などの独自コンテンツやキャラクターを指す。
動画から総合エンタメへ U-NEXTの次の一手
今回の中期経営計画は、U-NEXTが動画配信企業から総合エンタメプラットフォームへ転換する明確な意思を示したものといえる。
特に音楽サブスクは、既存の映像配信会員とのクロスユースを促進できる点でシナジー効果が高い。
映像と音楽を統合することで、滞在時間の増加や広告収益の拡大が見込めるだろう。
一方で、音楽配信市場はSpotifyやApple Musicなどの海外勢が圧倒的なシェアを握っており、差別化戦略が鍵を握りそうだ。
独自IPを活用したアーティスト連動型企画や、動画・ライブ・音声を統合したUX設計が求められるだろう。
また、公営競技やスポーツベッティング分野への参入は、新たな市場開拓の可能性を秘めているが、法的整備やコンプライアンス体制の構築が不可欠だ。
U-NEXTがこれらの課題をどうクリアするかが、今後の成長速度を左右すると考えられる。
U-NEXT HOLDINGS「Road to 2030」説明資料
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