DGBT、ECサイト向け「NaviPlusレビュー」でAI法令チェック機能を提供開始

2025年10月15日、株式会社DGビジネステクノロジー(DGBT)は、ECサイト向けレビュー管理サービス「NaviPlusレビュー」において、AIによる薬機法・景品表示法チェック機能「AI法令サポート」の提供を開始すると発表した。
レビュー確認業務を自動化し、公開までの工数削減と法令遵守を両立する狙いだ。
DGBT、AI法令チェック機能を導入 NaviPlusシリーズ連携強化も
デジタルガレージグループのDGBTは、ECサイト向けレビュー管理サービス「NaviPlusレビュー」に、AIによる法令チェック支援機能「AI法令サポート」を追加した。
本機能は、株式会社Archaic(東京都渋谷区)が開発した専門家監修AI基盤を活用し、レビュー本文を薬機法および景品表示法(※)の観点から自動解析。
注意が必要な表現を抽出し、根拠と修正文案を提示する仕組みである。
従来、専門部署による目視確認では数日を要していたレビュー公開作業が、AIの導入により数時間で完了可能となる。
同社によると、AIによる薬機法・景品表示法対応を備えたレビューシステムは業界初であり、Archaicと共同で特許を出願中だという。
提供形態はオプションプラン制で、最小プランでは月間100件までを月額15,000円(税別)から利用可能だ。
薬機法または景品表示法のいずれか一方のチェックに対応し、既存システムの改修を必要とせず導入できる。
レビューは消費者が購入前に最も重視するUGC(ユーザー生成コンテンツ)の一つだが、医薬品や健康食品分野では法令違反の懸念が課題となっている。
DGBTは今回の機能提供に加え、「NaviPlusシリーズ」との連携強化を進め、AIによるEC事業支援を拡大していく方針を示している。
※薬機法および景品表示法:医薬品医療機器等法および景品表示法。効能や効果を誤認させる表現や、誇大広告を防ぐための日本の主要法規。
AIが変える法令チェック業務 中小ECにも導入拡大の兆し
DGBTのAI法令サポート機能は、レビュー公開にかかる時間と人件費を削減しつつ、法令遵守を支援する実用的な仕組みであると言える。
特に、担当者の経験差による判断のばらつきを抑え、統一基準でのチェックを可能にする点は評価できる。
また、チェック履歴を保持できるため、社内監査や外部審査への対応が容易となり、コンプライアンス体制の透明性向上に寄与するだろう。
専門人材を確保しにくい中小規模のEC事業者にとって、AIによる自動判定機能は導入の後押しになると考えられる。
一方で、AIの判定精度や表現の解釈をめぐっては課題も残りそうだ。
レビューはユーザーの感想や主観を含むため、「自然な感想」と「誤認リスクのある表現」との線引きが求められる。
AIが業務を支援する形で人の判断を補完する運用が今後の鍵となるだろう。
総じて今回の発表は、AIがコンプライアンス領域へ浸透し始めた象徴的な動きといえる。
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