ブラックロック主導連合体、AI需要で約400億ドルの米データセンター買収

2025年10月15日、米資産運用会社ブラックロック傘下の投資会社が率いる連合体「AIインフラ・パートナーシップ(AIP)」は、米データセンター大手アラインド・データ・センターズを約400億ドルで買収すると発表した。連合体にはエヌビディアやマイクロソフトなども参画している。
米データセンター大手を約400億ドルで取得、AIインフラ強化
買収対象のアラインド・データ・センターズは、テキサス州に本社を置き、米国および南米で70超のデータセンターを運営している。取得はマッコーリー・アセット・マネジメントのファンドから行われ、規制当局の承認を経て2026年上半期の完了が見込まれる。
背景には、生成AIブームに伴うデータセンター需要の急速な拡大がある。大規模な計算処理やデータ解析はAIの成長に不可欠である。ブラックロックのフィンクCEOは声明で、「AIの未来を支える、必要なインフラを提供する」と買収の意義を強調した。
さらに南米や米国内の新規開発拠点を取り込むとみられる。
AI成長促進とリスク管理の狭間、投資効果の見極めが鍵
今回の買収は、AIインフラの拡充という点で一定のメリットをもたらす可能性がある。
データセンター容量の増加は、大規模AIモデルの運用や企業のクラウド利用を支えることに寄与する可能性があり、エヌビディアなど半導体企業の需要拡大にもつながる可能性がある。また、複数地域での拠点運営は、自然災害や地政学リスクへの耐性向上に寄与する可能性もある。
一方で、単一連合による大規模投資は、市場競争の偏りや価格形成への影響、中小事業者の参入障壁上昇といった懸念を生む可能性がある。規制当局の承認過程は慎重に進められる見込みであり、買収後も市場監視が重要になる可能性がある。
将来的には、AIインフラの確保をめぐる企業間競争がさらに激化し、世界的なデータセンター投資ラッシュを促す可能性もある。
投資家や企業は、供給リスクと成長機会の両面に留意しながら戦略を検討することが望ましいと考えられる。
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