超党派で「AIと民主主義」勉強会が発足 国会デジタル改革へ

2025年10月15日、国会内で「AIと民主主義に関する超党派勉強会」が発足したことが明らかになった。AIやデジタル技術の進展を踏まえ、国会運営を進化させることを目指し、年内にデジタル改革案を提案する方針だ。
AIが変える国会 超党派議員らが改革勉強会を立ち上げ
勉強会の立ち上げを主導したのは、AI研究者出身のチームみらい党首・安野貴博氏で、自民党の平将明デジタル相とともに共同代表を務める。参加議員は与野党6党から十数名に及び、デジタル技術を活用した新たな議会運営の可能性を探る。
設立趣意書では、「国会運営の改善策」を年内にまとめ、衆参両院議長に提案する方針が明記された。現在は限定的にしか認められていないタブレット端末の使用拡大や、オンライン質疑の導入などが議論の中心になる見通しだ。
初会合では、台湾のデジタル発展相を務めた唐鳳(オードリー・タン)氏がオンラインで講演した。
安野氏はこの勉強会を「AI時代にふさわしい民主主義の形を考えるため、党派を超えて知見を共有し、共に学ぶ場」と位置づけた。
AI時代の民主主義へ 「開かれた国会」実現への課題と展望
今回の勉強会は、行政のデジタル化を立法府にも広げる試みとして注目される。
特に国会審議の効率化や、AIによる議事録分析・政策提言支援といった技術的応用が検討される可能性がある。これにより、国会質疑の透明性向上や政策形成プロセスの見える化が進むと期待される。
一方で、AI導入には慎重な意見も少なくない。データの偏りや生成AIによる誤情報、議員発言の監視強化など、民主主義の運営に影響を与えかねないリスクも存在する。
また、AIの活用により人間の判断が曖昧になる恐れもある。
それでも、国会という最も保守的な制度にAIの知見を持ち込むことで、政治参加の形そのものが変化すると見込まれる。年内にまとめられる提言が、AI時代の民主主義の方向性を示す重要な指標となるだろう。











