メルカリ、「ハロ」事業終了を発表 スキマバイト領域から撤退へ

2025年10月14日、メルカリはスキマバイトアプリ「メルカリ ハロ」を2025年12月18日に終了すると発表した。
市場環境の変化と利用状況を踏まえた経営判断であり、開始から1年9か月での短期雇用領域からの撤退となる。
メルカリ、スキマバイト事業を12月で終了 提携先への移行を案内
メルカリは、2024年3月に開始したスキマバイトアプリ「メルカリ ハロ」を、2025年12月18日(木)をもって終了することを発表した。
公式発表によれば、「市場環境の変化やサービスの利用状況をなどから総合的に判断」した結果、提供を終える決定に至ったという。
「メルカリ ハロ」は、「だれでも、すぐに、かんたんに働ける」をコンセプトに、飲食・物流・介護といった現場の即日勤務案件を中心に展開してきた。
メルカリは、既存ユーザー向けに提携先のベネッセキャリオスが運営する「キャリオス1DAY」への移行を案内した。
「キャリオス1DAY」は3〜4時間の求人も豊富に掲載されている求人サービス・アプリで、面接や登録会の必要なく、最短で即日入金されるなどの手軽さが特徴だ。
報酬は最終勤務日まで通常通り支払われ、勤務履歴や源泉徴収票などの閲覧も2026年4月末まで可能としている。
また、問い合わせ対応は当面継続される予定で、一定期間はアプリへのログインも維持される。
給料の支払いについても12月18日までの仕事については給与が確定した後に振り込まれる体制で、トラブルを防ぐ施策を打っている。
スキマバイト市場の競争激化、再編と新戦略の分岐点に
今回の撤退は、急拡大したスキマバイト市場の淘汰を象徴する動きといえる。
即時勤務を特徴とする「タイミー」や「シェアフル」などのサービスが定着するなか、後発組であるメルカリ ハロはユーザー獲得競争に苦戦した可能性がある。
スキマバイト市場において、差別化の難しさと新規参入の難しさが改めて示された形だ。
一方で、短期雇用需要自体は依然として高く、メルカリの撤退によって他サービスへの求人集中が進む可能性もある。
企業側にとっては採用チャネルの整理が進む一方で、労働者にとっては選択肢の減少がデメリットとなる。
今後は、高精度なマッチング技術やスキル認証などを通じて、より高精度なマッチングを実現する事業者が市場を主導する展開が予想される。
メルカリの撤退は、単なる後退ではなく、短期雇用市場が次の段階へ移行する転換点となる可能性がある。