アルバトロス、退職代行モームリ利用者3,045名の転職状況を公開 内定率12%で大手超え

2025年10月7日、株式会社アルバトロスは退職代行モームリ利用者3,045名の転職実態を公開した。調査結果では内定率が12%に達し、大手転職エージェントを上回る結果となった。
退職代行後でも内定率は大手超え 短期離職者も転職成功
株式会社アルバトロスは、2023年10月から開始した転職支援サービス「アルバトロス転職」において、退職代行モームリ利用者のうち3,045名を対象にアンケートを実施した。
調査期間は2023年10月15日~2025年8月31日で、全国の男女を対象としている。
調査では、利用者の57.7%が20代で、男性が57.0%を占めた。学歴では大学卒が37.7%、高校卒が33.9%と続く。
転職回数は1回が最も多く32.7%、2回以上が63.3%で、6回以上の多重転職者は9.3%にとどまった。
転職希望時期は「すぐにでも」が45.9%、「1ヶ月以内」が21.8%と短期間での再就職を望む傾向が強い。希望職種は事務・管理が51.7%で最多、次いでサービス業28.3%となった。
希望年収は300万円以上400万円未満が37.8%で、「特に希望なし」は19.2%だった。
重視するポイントでは、職場の雰囲気や人間関係が59.7%、ワークライフバランスが53.0%となり、前職でのハラスメントや労働環境の悪化を経験した人が多いことと一致する傾向にあるという。
次も同業種を希望しない割合は72.9%で、職種変更意向が顕著に現れた。
アルバトロス転職の実績では、書類選考通過率50%以上、内定率約12%で、大手エージェントの通過率30%、内定率4~5%を上回る結果となった。
年代別内定者の約70%が20代で、前職がサービス業の人材が多く、転職後は運送業や事務職へのシフトが見られる。
退職代行がキャリア再構築の契機に 支援一体型サービス拡大の可能性
今回の結果は、退職代行の利用が「キャリアの断絶」ではなく「再出発のきっかけ」となり得ることを示している。短期離職や退職代行利用といった経歴を持つ人でも、企業側が人物重視の採用へと舵を切りつつある点は肯定的に捉えられる。
一方で、退職代行の利用者は前職での心理的負担が大きかった層が多く、転職先において「安心して働ける環境」を求める傾向が強い。これは、職場環境や人間関係を改善する企業にとって、採用面でのアピール材料になる可能性がある。
今後、退職代行と転職支援を組み合わせた「キャリア支援一体型サービス」の需要は拡大すると見られる。従来の「辞めるためのサービス」から「次を見据えた支援」へと進化すれば、離職後の不安を軽減させ、労働市場の健全化にも寄与するだろう。
ただし、退職代行の急増が安易な転職を助長する懸念も残る。利用者が自己分析やキャリア形成を怠れば、再び早期離職に至るリスクがある。
こうした課題に対応するためには、行政や企業が協働し、キャリア教育とメンタル支援の両面から支援を強化する必要があると考えられる。