PayPay、バイナンスジャパン株式40%取得 キャッシュレス×暗号資産連携へ

2025年10月9日、PayPayは国内暗号資産取引所バイナンスジャパンの株式40%を取得したと発表した。両社はキャッシュレス決済とデジタル資産をつなぐ新サービスの共同開発を目指す。
PayPayがバイナンスジャパンと資本提携、暗号資産連携を加速
PayPayはバイナンスジャパン(Binance Japan)(※)の株式40%を取得し、同社を持分法適用会社とした。取得の効力発生日は9月16日であり、両社は資本業務提携を通じて、サービス共同開発や技術連携を推進すると発表した。
連携施策の第1弾として、Binance JapanアプリでPayPayマネーを用いた暗号資産購入や、暗号資産売却時の出金先としてPayPayマネーを選択可能にする仕組みを検討している。
PayPay株式会社の執行役員・柳瀬将良氏は「Binanceを利用するユーザーにPayPayの利便性と安全性を備えたソリューションを提供します。ユーザーのニーズに合わせた幅広い金融サービスが国内で提供できるよう、引き続き日本の金融インフラの発展に貢献していきます」とコメント。
一方、バイナンスジャパン代表・千野剛司氏は「PayPayの圧倒的なユーザースケールとバイナンスの革新的なテクノロジーを融合することで、日本全国のより多くの皆さまにWeb3をより身近なものとし、安心で便利な暗号資産サービスを提供できると確信しています。バイナンスジャパンは今後も、日本のWeb3エコシステムの発展に貢献してまいります」と述べた。
※バイナンスジャパン:世界最大級の暗号資産取引所であるバイナンスの日本法人。金融庁登録済の暗号資産交換業者として、ビットコインやイーサリアムなど多数の通貨を取り扱い、国内向けに安全性と法令遵守を重視した取引サービスを提供している。
PayPay株式会社 プレスリリース
https://about.paypay.ne.jp/pr/20251009/01/
PayPay×Binance提携の波及効果と今後の展望
PayPayとバイナンスジャパンの資本業務提携は、国内金融市場においてキャッシュレス決済と暗号資産の融合を加速させる契機となる点で大きな意義を持つ。
最大のメリットは、PayPayが有する7,000万人超のユーザー基盤を活かし、暗号資産取引をより身近な存在へと引き寄せられることだろう。特に、暗号資産の購入・売却をPayPayマネーで完結できる仕組みが実現すれば、従来の取引所口座開設や銀行振込といった煩雑なプロセスを省略でき、利用ハードルが劇的に下がると考えられる。
また、Web3やデジタル金融の普及を加速させる起爆剤としての役割も期待される。
一方で、暗号資産市場は価格変動や法規制の不確実性が高いため、出金や取引の安全性確保が課題となりそうだ。
特に、資産の入出金ルートがPayPay経由で複雑化する場合、セキュリティ面や不正利用対策の強化が必須となるだろう。
こうした課題をクリアしなければ、利便性の高さが逆にリスク拡大要因となる恐れもある。
今回の提携は、国内金融の「Web3時代」への転換点となるかもしれない。
もし両社が金融庁の認可体制を維持しながらユーザー体験を高水準で統合できれば、日本におけるWeb3普及の実質的な起点となるだろう。
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