ホットリンクグループのNonagon Capital、ステーブルコインでDeFi運用開始

2025年10月8日、株式会社ホットリンクは、グループ会社のNonagon Capitalがステーブルコインを活用したDeFiプロジェクトへの流動性提供を開始すると発表した。
暗号資産のボラティリティを抑えた新たな財務戦略として位置づけ、当期中に約6億円規模まで拡大する方針だ。
Nonagon Capital、USDeを初回投資にDeFi運用開始 ガバナンス強化で透明性も確保
ホットリンクグループ傘下のNonagon Capitaは、ステーブルコイン(※)を活用したDeFi(分散型金融)運用を開始する。
第一弾として、Ethena.fiが発行するステーブルコイン「USDe」を初回投資先に選定し、初期運用を実行した。
同社は当期中を目標に総額400万米ドル規模まで運用を拡大する見通しを示している。
初期投資の段階から、マルチシグによる資産管理、トレード・会計・資金移動の分離、定期レビューの実施など、ガバナンスと監査機能を重視する内部統制を導入した。
透明性の高い運用モデルの構築を進めている。
本運用は、価格変動が少ないステーブルコインに限定することで、暗号資産特有のボラティリティリスクを大幅に低減している点が特徴である。
Nonagon Capitalは、これまでベンチャー投資、コミュニティ事業、バリデーター運営支援の3領域を展開してきた。
今回新たにDeFi運用を加えることで、同社の事業ポートフォリオは4本柱へと拡大した。
ホットリンクによると、本運用は同社が出資した資金を原資として開始されたもので、今後は複数プロトコルを活用した分散的な運用、さらにはLP出資を募ったファンド化も検討しているという。
※ステーブルコイン:米ドルなどの法定通貨に価値を連動させ、価格変動を抑制した暗号資産の一種。DeFi市場での決済・担保・運用手段として利用が拡大している。
DeFi導入で資産効率化とリスク分散へ 安定的な財務基盤の確立を狙う
Nonagon CapitalによるDeFi活用は、ホットリンクグループ全体の財務戦略を進化させる取り組みといえる。
ステーブルコインを用いることで、暗号資産市場の価格変動に左右されにくく、流動性を保ちながら安定的な利回りを得られる仕組みを構築した。
企業が保有するデジタル資産を「眠らせる」ことなく運用に回す仕組みは、資産効率の最大化につながるだろう。
一方で、DeFi市場にはプロトコルリスクやスマートコントラクトの脆弱性など、従来の金融商品にはない不確実性も伴う。
Nonagon Capitalはこの点を踏まえ、リスクを抑えつつ透明性を高める内部統制を重視しており、業界標準を意識した運用モデルを整備している。
今後、同社がDeFi分野で実績を積み重ねることで、ホットリンクグループ全体の資金運用効率や事業拡張性が高まる可能性がある。
暗号資産を「保有」から「運用」へと転換する姿勢は、国内企業における新たな財務戦略のモデルケースとなるだろう。
ホットリンク プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000413.000002235.html