BrainPad AAA、AIが動画から業務マニュアルを自動作成 現場DXを加速

2025年10月7日、株式会社BrainPad AAA(ブレインパッド エーキューブ)は、現場の人材不足を解決するAIエージェント「COROKO(コロコ)」を発表した。第1弾として、作業動画を撮るだけでマニュアルや報告書をAIエージェントが自動生成するサービスを開始する。
BrainPad AAA、「COROKO」で現場業務をAI化
「COROKO」は、現場の暗黙知をビジネスで価値あるデータに変えることで、現場の人材不足を支援するAIエージェントである。マルチモーダルAI(※)を活用し、動画・音声・テキストなど複数の情報を解析する仕組みを備える。
今回の第1弾サービスでは、現場作業をウェアラブルカメラなどで撮影し、その動画や音声・テキストなどの追加データをアップロードするだけで、AIエージェントが部品名や作業内容を分析。これを基に、作業マニュアルや報告書を自動で生成する。
BrainPad AAAは、これによりドキュメント作成時間を大幅に削減し、作業員の生産性向上に貢献できると説明している。さらに、これまで点在していた各現場のデータを横断的に比較・共有することで、組織全体のナレッジ活用を加速させる狙いもある。
※マルチモーダルAI:画像・音声・テキストなど複数のデータ形式を統合的に解析し、関連性を理解できるAI技術。現場作業のような複雑な状況判断に強みを持つ。
知識継承と生産性向上の両立へ AI活用の課題も
「COROKO」の導入によって、熟練者のノウハウを動画として保存・分析し、教育資料として再利用できるようになる可能性がある。これにより、属人的な作業が減り、教育コストの削減や品質の均一化が期待されている。
AIが作業手順を自動記録することで、業務の標準化や改善サイクルの高速化につながる可能性もある。
一方で、AI解析の精度やセキュリティ、プライバシーの課題も浮上している。映像データには個人情報や企業機密が含まれるおそれがあり、データ保護やアクセス制御の厳格な体制が求められる。また、AIが生成したマニュアルが必ずしも正確とは限らず、最終的な確認を人が担う必要がある点も課題だ。
今後BrainPad AAAは、業種や現場環境ごとのカスタマイズ対応や他システムとの連携強化を進める方針とみられる。AIエージェントが現場業務を支援する動きは今後さらに広がる可能性があり、「COROKO」はその先駆的な試みの一つといえる。
人材不足が構造的課題となる中、現場の知識を資産として循環させる取り組みが、企業競争力を左右する要素になりつつあると考えられる。
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