Web3ウォレットのメタマスク、大規模オンチェーン報酬公開へ 3,000万ドル超の暗号資産を配布へ

2025年10月5日、Web3ウォレット「メタマスク」を提供する米コンセンシスは、公式Xで公表報酬プログラム「MetaMask Rewards」を近日ローンチ予定だとポストした。
初回シーズンでは3,000万ドル(約45億円)相当のLINEAを配布する計画で、ユーザー参加型のインセンティブ設計が注目されている。
史上最大規模のオンチェーン報酬、MetaMask Rewards始動
メタマスクの公式Xによると、MetaMask Rewardsは紹介報酬やステーブルコイン「MetaMask USD」によるインセンティブ、限定パートナー特典など複数の報酬要素を備える。
なお、利回り目的の資金運用、いわゆるファーミングのための設計ではないとのことだ。
第1シーズンでは、3,000万ドル超の暗号資産「LINEA」が配布予定で、メタマスク史上最大規模のオンチェーンリワードの1つとなる。
今回配布されるLINEAトークンは、コンセンシスが開発した同名のL2ネットワークのネイティブ資産である。
イーサリアムレイヤー2ネットワーク(※)のネイティブトークンであり、2023年のメインネットローンチ以来、ガス代削減と取引効率化の両立を掲げて成長してきた。
GitHub上のリポジトリでは、「Ways to Earn」という新セクションの実装が確認されており、スワップ機能やネットワーク利用によってポイントが付与される仕組みが導入される見込みだ。
対応ネットワークにはリネアをはじめ、イーサリアム、OPメインネット、ポリゴン、アービトラム、アバランチ、ソラナ、ベースなど主要チェーンが並ぶ。
さらに、長期利用者には特別な報酬が与えられるとされ、将来発行が噂されるメタマスクトークンとの関連性も示唆された。
※レイヤー2(Layer2):ブロックチェーンのスケーラビリティ(処理能力)を改善するために、メインチェーン(Layer1)の外で取引を処理する仕組み。イーサリアムのガス代削減や取引速度向上に利用される。
分散型報酬モデルの波及に期待
MetaMask Rewardsの登場は、ウォレットが単なる資産管理ツールから「経済的インターフェース」へと進化する象徴的な動きと言える。
従来、報酬プログラムは取引所など中央集権的なサービスが中心だったが、MetaMaskは分散型の仕組みを通じてオンチェーンでの貢献を可視化し、報酬として還元するモデルを採用した。
このアプローチは、Web3全体のユーザー維持率やアクティブ率を高める可能性がある。
特に、マルチチェーン対応によってスワップやブリッジ利用が報酬対象となれば、分散型金融(DeFi)やNFT市場など他領域への波及も期待される。
一方で、トークン配布が短期的な投機需要を誘発するリスクも否定できない。
コンセンシスが「ファーミング目的ではない」と強調したのは、持続的な利用促進を狙う姿勢の表れだと考えられる。
今後、MetaMask Rewardsがどの程度のユーザー参加を獲得し、Web3エコシステム内での経済循環を創出できるかが焦点となる。
もし成功すれば、ウォレットを基点とした「ユーザー主導型報酬経済」の実証事例として、他のプロジェクトにも波及する可能性が高い。











