OpenAI、Spotifyなどとの新たな提携発表 企業向け生成AI市場で主導権狙う

2025年10月6日、米OpenAIは開発者会議「OpenAI Dev Day」で、複数企業との新たな提携方針を発表した。
生成AIを一般消費者向けから産業利用へ広げ、企業向け事業の拡大を本格化させる狙いだ。
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OpenAI、音楽・不動産・玩具大手と連携しAI活用を拡大
OpenAIは6日、音楽配信大手Spotify、不動産情報サイト運営のZillow、玩具大手Mattelなどとの提携を発表した。
これにより、自社の生成AIをエンタメ、不動産、製造など異なる産業分野に展開する構えである。
同社はあわせて、開発者のアプリ構築を支援する新ツール群も発表した。
サム・アルトマンCEOは基調演説後の記者会見で「今後、私たちが企業向け分野に本格的に注力していくことを期待してほしい」と語った。
個人利用で確立したブランドを産業活用へ横展開し、生成AI市場の標準化を主導する構想を示した形と言える。
企業導入で生産性向上の期待も、依存リスクへの懸念残る
今回の提携強化は、業界全体にとってAI導入の追い風となる可能性がある。
さまざまな産業分野にOpenAIのAI製品が組み込まれることで、生産性や顧客体験の質的向上が期待される。
一方で、OpenAIの技術基盤に過度に依存するリスクも残ると考えられる。
サービス停止や利用規約変更が直接的に事業運営へ影響を及ぼす懸念があり、企業は自社データの管理体制やAI倫理への配慮を強化する必要があるだろう。
今後は、OpenAIがどの程度オープンなAPIエコシステムを維持できるかが焦点になるとみられる。
生成AIが多業種に浸透する中で、企業が自社モデル開発と外部AI活用をどう両立させるかが問われる局面に入っている。