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    薩摩川内市に国内最大級AIデータセンター計画 火力発電所跡地に

    2025年9月30日、鹿児島県薩摩川内市の川内火力発電所跡地に、国内最大級となるAIデータセンターの建設が計画されていると明らかになった。
    日本と台湾の企業連合が共同で推進し、原発由来の安定電力を活用した先端インフラ拠点の整備を目指す。

    目次

    AIが動かす地域再生 350メガワット規模の新拠点

    鹿児島県薩摩川内市にある川内火力発電所跡地で、AIデータセンターの建設が進められている。
    信越科学産業とCDIBキャピタルによる日台企業連合「カイシンデジタルインフラストラクチャー」が事業主体を担う予定だ。

    計画地は、九州電力が運営していた「サーキュラーパーク九州」内に位置し、電力消費量は1時間あたり350メガワットと国内最大級を想定している。生成AIやクラウドサービスに必要な高性能半導体(GPU)サーバー群を備える構想だ。

    膨大な電力を消費するAIデータセンターへ安定供給を行うため、川内原発に近いこの場所が選定されたとのことだ。
    市と県、九州電力の三者が連携し、整備を協議中である。

    信越科学産業の小坂幸太郎会長は、「日本のプレーヤーも関わってAIデータセンターをつくることで地域経済の活性化にもなるし、薩摩川内市をひとつのモデルにできるように頑張りたい」と述べている。
    また、薩摩川内市の田中良二市長は「当然、雇用や立地建設、その後のメンテにおいては薩摩川内市の既存企業、地域企業の経済の好循環にも資するものが必ず生まれるもの」と期待を示した。

    塩田県知事は「着実に前進していることを大変うれしく思っている。国も支援してくれると思っているので、国・県・地元一体となってこれを前に進めていきたい」と語り、九州電力との調整が整い次第、着工に入る見通しを示した。

    九州が「AI産業回廊」になる可能性

    今回の計画は、地方発のAIインフラ整備として全国的にも注目されるだろう。
    AI運用の中核拠点を地方に分散させることで、首都圏の電力偏在を是正する狙いもあるのかもしれない。

    一方で、350メガワット級の稼働には、送電設備や冷却水の確保など、課題も多いと推測できる。特に、夏季の需要期における電力逼迫をどう回避するかが焦点となりそうだ。
    また、建設・運用段階でのCO₂排出を抑えるため、再エネ比率の高い電力調達や廃熱の再利用など、環境面での配慮も求められるだろう。

    今後、九州一円でAI関連産業の集積が進めば、「デジタル・エネルギー両立型地域経済」のモデルケースとなる可能性もありそうだ。

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