イーロン・マスク氏、Wikipedia対抗「Grokipedia」構築を宣言 xAIが知識リポジトリ開発へ

2025年9月30日、米実業家イーロン・マスク氏は、Wikipediaに代わる新たな知識共有プラットフォーム「Grokipedia」を開発中であることを明らかにした。
投稿は自身が運営するSNS「X」で行われ、既存のWikipediaが偏向的だとする批判を背景に構想が示された。
マスク氏、オープンソース型知識基盤「Grokipedia」を推進
イーロン・マスク氏は9月30日、SNS「X」において、Wikipediaの代替となる「Grokipedia」を開発していると投稿した。
Wikipediaを「絶望的に偏っている」と評し、より信頼性の高いオープンソース型知識リポジトリを構築することが狙いだという。
Grokipediaは、マスク氏が率いる人工知能企業xAIの取り組みの一環であり、「宇宙を理解する」という同社の根本的目標に沿ったものと位置づけられている。
設計はオープンベースを前提に、誰もが自由に利用できる仕組みとされる。
この発表の背景には、数日前から続いていたWikipediaの中立性をめぐる論争がある。
9月29日、テック投資家でホワイトハウス暗号資産担当のデイビッド・サックス氏が「左翼活動家たちに支配され、合理的な修正すら許さない」と投稿し、AIモデルの学習データとして偏向が増幅されていると指摘した。
マスク氏はこれに応答する形で「Grokipediaを構築中」と宣言し、開発参加を呼びかけた。
またマスク氏は「Grokipediaは一般公開され、使用制限も設けない」と強調。
既存の知識基盤よりも透明性が高く、修正や検証が容易な環境を実現することを目指すと述べている。
Grokipedia構想が示す期待とリスク 情報信頼性と偏向論争の行方
マスク氏の構想は、知識共有の在り方に大きな波紋を広げる可能性がある。
Grokipediaが実現すれば、AIモデルや研究者にとって信頼性の高いデータソースとなり、既存の情報基盤への依存を軽減できる点は大きなメリットだ。
さらに、オープンソースであることから、誰もが自由に参加できる透明な検証プロセスが整備されれば、情報の正確性を高める可能性もある。
一方で、課題も少なくない。
Wikipedia同様に、多数の編集者が参加する仕組みは情報の質を担保する難しさを伴う。
特定の思想や立場に偏った編集合戦が繰り返されるリスクは依然残る。
さらに、規模の大きな知識基盤を維持するには膨大な運営コストやモデレーション体制が必要であり、マスク氏のビジョン通りに「偏りのない知識体系」が成立するかは未知数である。
Grokipediaがどのような形で公開されるのか、そしてWikipediaに匹敵する規模と信頼性を獲得できるのかは、今後の開発スピードと運用モデルにかかっていると言える。











