Canva AIが世界展開を開始 日本語含む16言語対応で文化適応デザインを実現

2025年9月26日、Canvaの日本法人Canva Japanが、同社の会話型画像生成AI「Canva AI」が世界展開を開始したと発表した。
これは米国では9月19日に公表されていたもので、従来の英語に加えて日本語を含む16言語に対応し、地域特性を反映したデザイン生成が可能になった。
16言語対応で地域文化に即したデザインを自動生成
オンラインデザインプラットフォームを展開するCanvaは、会話型画像生成AI(※)「Canva AI」の多言語展開を進め、英語のみだった対応言語を一気に16まで拡大した。
日本語やフランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ヒンディー語、中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語などが新たに加わり、ユーザーは母国語でデザイン指示を出せる。
Canva AIは、テキストや音声で作りたい内容を伝えるだけでキャンペーン資料が即座に完成する。今回のアップデートでは、単に翻訳対応するだけでなく、地域や言語特有の文化的背景やデザイン嗜好を理解するアルゴリズムが導入された点が特徴だ。
さらに、31の新しい言語・地域設定が追加され、生成されるデザインは現地慣習に合わせた色彩やレイアウトを自動提案する。
さらに、Canvaが提供する豊富な素材ライブラリも利用できる。
※会話型画像生成AI:ユーザーがテキストや音声で指示を出すことで、AIが画像やデザインを自動作成する技術。従来のテンプレート型ツールに比べ直感的な操作が可能。
多言語展開が促す競争 中小企業にも商機か
今回の多言語対応は、デザイン制作の民主化をさらに加速させる可能性がある。
専門知識を必要とせず、母国語で指示するだけで高品質なビジュアルが得られることは、中小企業にとって低コストで資料を制作するための強力な武器となりそうだ。
特に日本語対応は、国内ユーザーの利用拡大を後押しし、マーケティングやEC領域で導入が進む可能性もある。
一方で、文化適応を自動化するアルゴリズムが現地表現をどこまで正確に反映できるかについては懸念が残る。
また、独自のデザイン感覚を重視するブランドにとっては、AIが提案するアウトプットをどう活用するかが鍵になるだろう。
生成AI市場では、米Adobeや米OpenAIなど競合各社も多言語対応を強化しているため、Canvaの世界展開は競争環境を一段と激化させると予測できる。
今後は、企業の国際戦略におけるデザイン制作のスピードと柔軟性が、AI活用の成否を左右するかもしれない。











