ソニー銀行、web3子会社「BlockBloom」始動へ デジタルと金融を融合する新事業

2025年9月25日、ソニー銀行はweb3関連事業子会社「BlockBloom株式会社」が10月1日より事業を開始すると発表した。デジタル資産と金融を結び付ける新たな取り組みとして注目される。
ソニー銀行、新会社「BlockBloom」でweb3事業展開
ソニー銀行は10月1日から、100%出資子会社である「BlockBloom株式会社」が事業を始めると公表した。
同社は、ブロックチェーンを軸としたweb3事業を幅広く手掛け、「ファンとアーティスト、デジタルとフィジカル、法定通貨とデジタル資産がつながる世界を利用者へ提供し、web3時代における新たな感動体験と利用者や事業者にとっての収益機会を提供すること」を目的に掲げている。
この子会社は、もともと「内幸町他業高度化等事業準備株式会社」という仮称で設立されており、今年5月に存在が明らかになっていた。その後、8月28日に正式に「BlockBloom」と改称され、web3事業の拠点として具体的な活動に踏み出すことになった。
事業内容は、ブロックチェーン技術などを用いた各種web3事業の企画・運営と、web3施策を検討する企業へのコンサルティング支援である。
これにより、ソニー銀行は利用者に新しい感動体験をもたらすと同時に、企業にとっての収益機会を広げることを狙う。
ソニー銀行はすでに「Sony Bank CONNECT」というスマートフォンアプリを展開しており、エンタテインメント領域におけるデジタル金融サービスの実装を進めてきた。
さらに6月には、規制準拠を前提とした専用ブロックチェーンの実証実験の開始を発表している。
web3金融の拡張とリスク 期待と課題の両面
BlockBloomの設立は、ソニー銀行がweb3領域に本格的に事業展開を志向する段階へ踏み出す象徴的な一歩と言える。
エンタテインメントと金融を横断するサービスを展開できれば、利用者に新しい収益モデルや体験を提示できる点が大きなメリットになる。特に、NFTやトークン(※)を活用したファンビジネスの強化は、既存の金融商品とは異なる新市場を形成する可能性がある。
一方で、課題も少なくない。
web3領域は規制環境が国際的に流動的であり、国内法制度の整備も途上にある。特にデジタル資産の管理やAML(マネーロンダリング対策)への対応は、金融機関として避けられない責任であり、実証実験での成果がその成否を左右すると見られる。
BlockBloomの今後を展望する際、鍵となるのは規制対応と差別化戦略だろう。
国内法制度が整備されつつあるなかで、ソニー銀行がどこまで規制順守を徹底し、利用者に安心感を与えられるかが事業の土台を決めると考えられる。そのうえで、ソニーグループの音楽・映像・ゲームといった豊富な知的財産と組み合わせることで、他社にはないエンタテインメント金融のモデルを築けるかが焦点になりうる。
今後は、国内外の規制動向や利用者ニーズの変化に応じて、事業を慎重かつ柔軟な運営が求められると見られる。
※Token(トークン):ブロックチェーン上で発行されるデジタル資産の総称。暗号資産やNFT、独自ポイントなどが含まれ、価値の移転や利用権の証明に用いられる。
https://plus-web3.com/media/token/
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