衣料品で東証上場のジーイエット、ビットコイン追加購入 累計64BTC超で長期戦略を加速

2025年9月24日、東証スタンダード上場のジーイエット(旧マックハウス)は、約4億円を投じて23.9180BTCを追加取得した。
累計購入額は11億円を突破し、同社の暗号資産投資戦略が一段と鮮明になっている。
ジーイエット、9月だけで2度の大型購入を実施
衣料品の販売店舗を全国に展開するジーイエットは9月24日、1BTCあたり平均1,672万3,806円で23.9180BTCを取得した。投資額は約4億円で、累計保有量は64.6062BTCに拡大した。
累計投資額は11億円を超え、平均取得単価は1,702万6,229円となる。
同社は直近1か月で大型取得を繰り返している。8月21日には3億円で17.5075BTC、9月22日には4億円で23.1807BTCを購入した。
月内で総額17億円規模の取得を予定している。
ジーイエットは、ドルコスト平均法(※)を基本戦略としながら、市場急変時には一括購入を行う柔軟な投資方針を採る。
通常時は定額取得を継続し、急落局面では積極的に資金を投入することで、価格変動リスクに対応しつつ長期的な資産形成を図る狙いだ。
なお同社は、9月18日付で「マックハウス」から「ジーイエット」へ商号を変更し、デジタル資産分野を含めた事業多角化を明確にしている。
8月には米ナスダック上場のコインチェックグループ傘下のネクストファイナンステックと提携を発表し、ステーキングやリスク管理体制の整備にも着手。
新たな収益基盤を構築する姿勢を鮮明にしている。
※ドルコスト平均法:価格が変動する資産を定期的・定額で購入し、長期的に平均取得単価を平準化する投資手法。短期の価格変動リスクを軽減する効果がある。
長期的な資産拡大を狙う一方、リスクも内包
ジーイエットは中長期的に1,000BTC超の保有を目標に掲げ、従来の小売依存から脱却する戦略を打ち出している。
ビットコインの長期保有は、資産価値上昇局面では大きなリターンを生み、ブランド刷新後の新たな成長ストーリーを支える可能性がある。
さらに暗号資産運用を本格化させることで、投資家からの注目度を高め、資金調達や企業価値向上につながるメリットも期待できる。
一方で、市場のボラティリティは依然として大きなリスク要因であり、短期的な下落局面では評価損が財務に影響し、業績を圧迫する恐れがある。
また、規制環境の変化や制度対応の不透明さが、企業投資としての安定性を揺るがす可能性もありそうだ。
それでも、ドルコスト平均法と一括取得を組み合わせた柔軟な戦略や、提携先との共同検証によるリスク制御は一定の合理性を持つ。
国内上場企業として積極的に暗号資産投資を進める同社の動きは、今後の企業戦略の多様化を示す象徴的な事例となり得るだろう。
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