ZOZO、全社員に「ChatGPT Enterprise」導入 AI活用で業務革新へ

2025年9月22日、ファッションEC「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは、OpenAIの企業向け生成AIサービス「ChatGPT Enterprise」をグループ全社員に導入したと発表した。
全社員対象に生成AI導入 業務効率化と企画支援を推進
ZOZOは8月より「ChatGPT Enterprise」を全社員に提供し、社内での活用を本格化させた。高度な自然言語処理能力を持つAIにより、長文や複雑な議事録の整理、スプレッドシートやCSVデータの分析・可視化などが可能となる。これにより、新規事業やサービス企画から日常業務まで幅広い領域で価値創出を目指す。
導入に先立ち、グループ全社員を対象とした生成AI研修や業務効率化ツールの開発を実施。7月には全エンジニアに開発AIエージェントを導入済みで、AI活用を強化している。
さらに、ノーコードで業務ワークフローを構築できる「カスタムGPT」を活用し、役員を含む全社員が自作・利用する参加型社内研修も実施。作成したGPTの月間利用数をチーム戦で競うことで、全社的なノウハウ共有と効率化を促す。
生成AI活用の波及効果と課題 効率化とリスク管理の両立に期待
全社員での生成AI活用により、業務の自動化やデータ分析の迅速化が期待される。従来時間のかかっていた資料作成や情報整理をAIに任せることで、社員は企画や戦略立案など創造的業務により注力できる可能性がある。
一方で、生成AIは誤情報の生成や情報漏えいといったリスクも伴うため、社内ルールやセキュリティ管理の整備が求められる。
さらに、カスタムGPTを活用したノウハウ共有は全社的な効率化につながると考えられるが、運用の統一性や品質維持も課題となり得る。
今後は、業務効率化や社員スキル向上の実現と並行して、リスク管理の仕組みを適切に整えることが重要である。ZOZOの取り組みは、ファッション業界における生成AI活用の先行例として注目される可能性がある。