ANAPがビットコインを連日追加購入 総保有数1,094BTC超に拡大

2025年9月18日、東証スタンダード上場のANAPホールディングスは、子会社ANAPライトニングキャピタルを通じてビットコイン(BTC)の追加購入を発表した。前日に続く2日連続の取得となり、同社の総保有量は約1,094BTCに達した。
ANAPライトニング、2日連続でBTC取得発表
ANAPホールディングスは9月18日、ANAPライトニングキャピタルが17日付で40.6474BTCを新たに取得したと明らかにした。取得総額は6億9,999万9,945円であり、同社が前日に報告した追加購入に続くものとなる。
この結果、ANAPライトニングキャピタルの総保有量は1,094.6194BTCに拡大した。
総投資額は163億4,306万6,004円となり、平均取得単価は1BTCあたり1,493万0,363円と算出される。さらに、17日時点の評価損益は22億595万8,921円とされている。
同社は8月に借入限度額を従来の50億円から110億円へと倍増させ、ビットコイン関連投資に充当する方針を示していた。今回の連続取得は、その戦略的資金調達の具体的な活用例といえる。
さらに、ANAPは11月に東京ステーションホテルで国際会議「BITCOIN JAPAN 2025」を主催する予定であり、投資拡大と情報発信を両輪とした取り組みを加速させている。
ANAPホールディングスは今年4月に持株会社体制へ移行し、アパレル事業を新設会社へ承継した上で、美容サロンや投資事業を含む多角化を進めている。
投資拡大と多角化がもたらす成長機会とリスク
ANAPによるビットコイン連日の追加購入には、明確なメリットが存在する。
第一に、資産規模の拡大によって市場での存在感を高め、投資家や取引先に対して攻めの姿勢を印象づけられる点だ。また、価格上昇局面では含み益が膨らみ、資本効率の改善につながる可能性もある。
一方で、デメリットも無視できない。ビットコイン市場は変動が極めて大きく、短期的な価格急落により巨額の評価損を抱えるリスクがある。特に借入による資金調達を伴う以上、損失が財務負担として直撃する可能性は高い。
また、事業の中心が暗号資産投資へ偏ることで、アパレルや美容といった他分野とのバランスを欠き、企業全体が市場環境次第で揺さぶられる脆弱さを抱えることにもなる。
今後、ANAPが直面する課題は「リスク管理と事業多角化の両立」にあるだろう。
短期的には、ビットコイン価格が堅調に推移すれば、資本効率や企業価値の上昇を市場に示せる可能性が高い。ただし、中長期的には価格変動に依存しすぎない収益モデルを確立できるかが問われると考えられる。
同社がファッションブランドとしての認知度を維持しつつ、投資事業を企業アイデンティティの一部として浸透させることができれば、新しいタイプの「複合型上場企業」として市場に位置づけられるかもしれない。逆に、暗号資産の市況悪化や過度な資金集中が続けば、グループ全体の安定性が揺らぐリスクも残る。
今後の展開は、代表取締役会長(CEO)兼執行役員(現代表取締役社長)に就いた川合林太郎氏の経営判断と市場環境の双方に大きく依存する構造にあると言える。
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