中国発アクセサリー「ESR」、日本市場でiPhone向け展開本格化

2025年9月11日、中国(香港)発のモバイルアクセサリーメーカー「ESR」が、日本市場向けにiPhone 17シリーズ対応アクセサリーの本格展開を発表した。大手家電量販店での販売に加え、将来的な独自店舗開設も視野に入れる。
ESR、日本でiPhoneアクセサリー販売を加速
ESRは2009年設立のモバイルアクセサリーメーカーであり、これまでグローバル市場でケースやワイヤレス充電器を展開してきた。
特にアップルの「MagSafe」対応製品や、端末内部の結露を抑える独自技術「CryoBoost(※)」搭載のワイヤレス充電器が注目される。
日本市場での展開拡大の背景には、売り上げの急増がある。
ESRマーケティング部長の吉江礼顕氏によると、2024年の日本売上は前年対比138%に達した。従前からメディア露出やインフルエンサー連携によるPR戦略が奏功したとされる。
今回の展開により、公式Webサイトには日本語ページが新設された。すでにヨドバシカメラやビックカメラで製品が購入可能となっており、今後は独自店舗の設置も視野に入れる。
グローバルではAndroid向け製品もあるが、日本市場ではiPhoneユーザーが多いため、当面はiPhone/iPad関連製品に特化する方針だ。
吉江氏は前年比140%の売上目標を掲げ、「日本のユーザーとともに新技術を通じて成長、より素晴らしい未来を築きたい」と意欲を示した。
※CryoBoost:端末内部の温度上昇や結露を抑制するESR独自の冷却技術。ワイヤレス充電時の発熱による端末影響を軽減する機能である。
日本市場拡大の波及効果と競争リスクを考察
ESRの本格展開は、日本のiPhoneユーザーに選択肢の増加というメリットをもたらす。
MagSafe対応ケースやCryoBoost搭載製品は、既存の純正アクセサリーとの差別化要素となりうる。
また、公式Webサイトの日本語対応や家電量販店での取り扱い開始により、ブランド認知度の向上と販売チャネルの拡充が期待できる。
将来的には、独自店舗の展開によってユーザーとの接点を増やし、体験型販売やイベントを通じてブランド価値の向上とファン層拡大を図る戦略も見込まれる。
一方で、海外ブランドであることから、信頼性やサポート体制に不安を抱く消費者もいる可能性がある。日本の高い品質基準やアフターサービスへの対応は、今後の成功に直結する課題となるだろう。
加えて、日本国内の競合ブランドとの価格・機能競争が激化することも予想される。
既存メーカーとの差別化や技術優位性の維持が、長期的な市場シェアを左右する重要なポイントとなりそうだ。