大阪府、行政に自律型AI導入へ マイクロソフトと連携し住民相談を効率化

2025年9月10日、大阪府は日本マイクロソフトと協力し、行政サービスに自律判断型のAIプログラムを導入すると発表した。
住民相談や多言語対応に活用し、業務効率化と利便性向上を目指す。
大阪府がAI導入で行政相談を効率化へ
大阪府は行政サービスの高度化を目的に、日本マイクロソフトと連携してAI導入を本格化させることを決定した。
人間からの直接指示がなくても自律的に判断し行動できるエージェント型のシステムを採用しており、業務の効率化を狙う。
住民から寄せられる相談の一次対応や多言語での問い合わせ処理など、従来職員が担っていた業務を補完する役割を担う予定だ。
吉村洋文知事は発表の場で「(生成AIは)間違いなく住民の皆さんの行政サービスを高めることができるし、役所の生産性を高めることが出来る」と強調した。
大阪府は今後、AI活用をさらに広げるため、年内にも企業と協議の場を立ち上げる予定だ。
AI活用で住民サービス拡充も、信頼性が課題に
大阪府とマイクロソフトの協力は、行政と民間が協働しながら効率化や利便性向上を狙うモデルケースと言えるだろう。
導入が進めば、窓口業務の待ち時間短縮や多言語サービスの充実といった住民メリットが期待される。
一方で、自律判断を行うAIの導入にはリスクも伴う。
誤認識や誤回答が生じた場合、住民との信頼関係を損なう恐れがあるため、精度検証と監督体制の整備が不可欠だ。
さらに、個人情報を取り扱う場面ではセキュリティ面の懸念も残る。効率性と透明性のバランスをどう取るかが成否を分けるだろう。
大阪府が自治体行政のAI活用に先行することで、他の自治体にも波及する可能性もある。
ただし、その展開は技術的な成熟度と住民の受容度に大きく左右されると考えられる。
行政と市民が共に信頼できる仕組みを築けるかどうかが今後の焦点になると言える。