米ワーナーが生成AI「Midjourney」を提訴 著作権侵害でハリウッド大手が連携強化

2025年9月4日、米Warner Bros. Discovery(ワーナー社)が画像生成AI「Midjourney」を運営する同社を著作権侵害で提訴した。
ディズニーやユニバーサルに続き、ハリウッド大手が一斉にAI企業と法廷で対峙する構図が鮮明になってきた。
ワーナー社、人気キャラクターの無断利用を主張
ワーナー社は今回の訴訟で、スーパーマンやバットマンなどの自社が保有する人気キャラクターが「Midjourney」によって無断で生成されていると主張している。
報道によれば、同AIは「classic comic book superhero battle」といった一般的な指示でも、DCコミックスのキャラクターに酷似した画像を生成する傾向があるという。
さらに同社は、かつては著作権侵害につながる画像生成を抑制する機能が搭載されていたものの、2025年8月に削除され「改善」として告知されていた点を問題視している。
これにより、制御が意図的に緩和され、侵害行為が助長されたと非難した。
訴状では、こうした行為は「故意かつ露骨な侵害」に当たると断じられており、損害賠償や利益の返還に加え、将来的な侵害を防ぐ差止命令も求めている。
ワーナー社は、自社のブランド力やキャラクターの価値を利用して不当な収益を得ていると強く批判しており、今後の審理ではAI企業の責任範囲が焦点となる見通しだ。
今回の訴訟は、既にディズニーやユニバーサルが「Midjourney」を相手取って提起している訴えに続くものである。
これらの企業も同様に、著作物を無断で模倣・利用し、十分な制御が行われていない点を指摘している。
AIによって生成されたものであっても、著作権の保護は適用されるという主張は一貫している。
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著作権侵害巡りAI企業と映画大手の対立激化へ
ディズニーやユニバーサル、ワーナー社が相次いで「Midjourney」を提訴した流れは、生成AIが創作活動やビジネスの現場に広がる中で、著作権の扱いが未整備であることを浮き彫りにしている。
AIの創出物は「創作」と「模倣」の境界が曖昧であるため、法的整理が急務とされる。
もし裁判所が権利者側の主張を認めれば、AI創作において、創作者の権利はより強固に守られるだろう。一方で、AIの発展を阻害する懸念もある。
過度な規制は、イノベーションやクリエイターの表現手段を狭めることにつながりかねない。
著作権を守る正当な権利と、新技術の自由な活用との均衡をいかに取るかが今後の最大の課題だと言える。