グーグル、Gemini搭載スマートホームデバイス発表へ 10月1日を予定

2025年9月3日、米グーグルは「Made by Google」の公式Xアカウントを通じ、10月1日に「Google Home」関連の新製品を発表すると明らかにした。生成AI「Gemini」に対応するスマートホーム機器が登場する可能性が高く、注目が集まっている。
グーグル、Gemini対応の新型スマートホーム機器を示唆
グーグルが9月3日に公開した投稿は、「Is that you, Gemini? Come in and make yourself at Home」という一文と短い動画を伴うものだった。そこには「Gemini」の名が直接記され、同社の生成AIを統合したスマートホーム製品の登場を強く印象づける演出となっている。
動画では新しいデバイスとみられる映像が一瞬映し出されており、従来のGoogle Homeシリーズに続く新世代製品の存在を示唆する内容と受け取れる。今回の予告は、同社が生成AIを家庭領域にどのように展開していくかを占う上で重要な意味を持つ。
スマートスピーカー市場はアマゾンの「Alexa」やアップルの「HomePod」など競合がひしめき、各社ともAIの高度化を武器に利用者の囲い込みを進めてきた。特に近年は生成AIによる自然言語理解や複雑なタスク処理の向上が顕著であり、Geminiを搭載することでGoogle Homeが大きく進化する可能性がある。
なお、現時点(9月8日11時)ではイベントの開始時刻や一般向け配信の有無は公表されていない。
家庭AIの進化と競争激化 利便性拡大とプライバシー懸念
Google Homeの新型がGeminiを搭載すれば、家庭でのAI利用は飛躍的に拡大する可能性がある。複数の家電制御、スケジュール管理、自然な会話型サポートなど、これまで分断されていた機能が統合されることで、日常生活の利便性は格段に高まるだろう。
一方で、生成AIが常時稼働する環境は新たな懸念も生む。家庭内で交わされる音声や個人の行動データが収集されることになり、プライバシーやデータ利用に関する透明性が重要課題となる。特に欧州を中心に規制が強化されており、Googleがどのようなセーフガードを設けるかは注目点になる。
さらに、競合するアマゾンやアップルにとっても、この動きは対抗戦略を迫られる材料となる。Geminiによる差別化が市場で受け入れられれば、スマートホーム分野は再び技術革新の波に突入すると考えられる。逆に、ユーザー体験が十分に磨かれていなければ期待値との乖離が生じ、普及にブレーキがかかるリスクもある。
10月1日の発表は、スマートホーム市場の主導権争いにおける大きな転機となりうる。グーグルがGeminiを家庭領域にどのように組み込むのか、世界的に注目が集まるだろう。