Crypto.comとUnderdogが米国でスポーツ予測市場を始動 NFLやNBAなど主要リーグを対象に

2025年9月2日、米仮想通貨取引所Crypto.comとスポーツゲーム企業Underdogは、米国向けにスポーツの予測市場を開始すると発表した。NFLやNBA、MLBなどの試合結果をリアルタイムで予測できるサービスとして注目される。
Crypto.comとUnderdogが米国スポーツ予測市場に参入
Crypto.comとUnderdogは、米国のスポーツファン向けに予測市場サービスを開始する。Underdogのアプリ内からNFL、カレッジフットボール、NBA、MLBの試合結果をシームレスに予測可能とし、ユーザーは簡単に参加できる仕様だ。
予測契約の価格はリアルタイムで変動し、コメント機能を通じた交流も可能である。
今回のサービスは、米商品先物取引委員会(CFTC※)の規制下にある「Crypto.com | Derivatives North America(CDNA)」とUnderdogの技術連携により実現した。規制準拠の枠組みによって、米国のファンは安全に予測市場へ参加できる点が特徴となる。
Underdogは2020年創設の新興企業で、スポーツをより楽しくする体験創出を目指している。
Jeremy Levine CEOは「予測市場は、我々が長く見てきた中で非常にエキサイティングな進化の1つ。まだ新しく進化の途中だが、1つだけ明らかなことがある。それは、予測市場の未来はスポーツにあるということ。スポーツという領域においてUnderdogに勝るものはない。」と述べ、同社の先導的役割を示した。
一方、Crypto.comのマネージングディレクターであるTravis McGhee氏は、「スポーツイベントの予測契約を提供するのは我々が初めて。」とコメントしている。
ただしこれは、「メジャーなスポーツゲーミング運用企業のアプリにおいて、予測市場を提供するのはCrypto.com初めて」という意味合いとみられる。
既存の例として、Polymarketではすでにスポーツ賭けが行われており、先月にはロビンフッドも米国のプロ・大学アメフト予測市場への参入を発表するなど、競争環境は一段と活発化している。
※CFTC:米国商品先物取引委員会。商品先物やデリバティブ取引を監督する米連邦規制機関で、仮想通貨デリバティブも規制対象となる。
米スポーツ予測市場の拡大とビジネス機会の可能性
今回の協業により、Crypto.comとUnderdogは米国スポーツ市場で新たな収益モデルを開拓できる見込みだ。リアルタイム更新とコメント機能を備えた予測市場は、ファンエンゲージメントを高め、既存のギャンブル市場との差別化に寄与すると考えられる。
また、Web3や仮想通貨領域に関心の高い層にとって、ブロックチェーン技術を活用した予測市場は新しい投資・エンタメの接点になり得る。
SNSでの情報拡散も期待でき、米国市場における利用拡大の追い風となる可能性がある。
一方で、規制遵守が前提とはいえ、法的リスクや責任の所在、ユーザー間トラブルの課題は残りそうだ。特に、若年層や未経験者の参入時にはリスク管理が重要になると予測できる。
将来的には、他国や他スポーツへの展開も想定される。
競合企業の動向や規制環境の変化も影響すると思われるが、技術と市場ニーズが噛み合えば、予測市場はスポーツ観戦の新たなスタンダードになるだろう。