Web3企業DEA、シンガポールから日本に本社移転へ 28年東証上場計画も発表

2025年8月25日、シンガポール拠点のDigital Entertainment Asset(DEA)が事業戦略説明会を開催し、日本法人化と2028年の東京証券取引所グロース市場上場計画を発表した。
暗号資産規制の明確化を背景に、日本市場への回帰を加速させる方針だ。
DEA、シンガポールから日本へ本社移転 暗号資産発行企業の東証上場計画
DEAは、2025年秋に本社をシンガポールから日本へ移転し、国内法人として事業を強化すると明らかにした。
同社は電柱撮影を軸に社会貢献をゲーム化する「ピクトレ(PicTrée)」をはじめとするプラットフォームを展開しており、世界的に注目を集めるWeb3スタートアップの一つとして知られている。
背景には、日本国内で暗号資産関連の法整備が進展していることがある。
日本政府は暗号資産の「金融商品化」に向け、法改正の検討フェーズに入っており、規制環境の安定化が期待される状況だ。
DEAは同時に、独自暗号通貨「DEAPcoin(DEP※)」を発行する体制の下、2028年に東京証券取引所グロース市場への上場を目指すことも発表した。上場企業としてトークン発行を行うのは前例が少なく、規制や会計上のハードルが高いとされる。
Web3関連スタートアップは、これまで日本の制度的制約から海外拠点を選ぶ傾向が強かった。今回の「Uターン」ともいえる流れは、国内環境の変化を象徴する動きとして注目される。
※DEAPcoin(DEP):DEAが発行する暗号通貨。ゲーム内利用や報酬プラットフォームで活用されるほか、将来的な証券的価値を持つ可能性がある。
Web3企業の国内回帰が示す可能性 市場成長と規制リスクの両面
DEAの上場計画は、国内外の投資家に新たな市場価値を提供し得る。
Web3企業の成長を国内資本市場で支える体制が整えば、日本はグローバルなWeb3ハブとして再評価される可能性がある。
特に、国内投資家が暗号資産関連株を通じて事業成長に直接関与できる点は、産業振興の観点から大きな意味を持つ。
また、DEAの本社移転は、海外に拠点を置くスタートアップにとっても指標となるかもしれない。
国内の暗号資産に関する法が整備され、規制が透明化すれば、成長段階の企業にとって資本調達やビジネス展開を容易にする要素となり、国内回帰の動きが進むかもしれない。
しかし、暗号資産を発行する企業の上場は、規制当局にとってもリスク管理の難易度を高める。市場のボラティリティや投資家保護の観点から、新しい基準策定や厳格な情報開示が求められることは避けられないだろう。
さらに、香港やシンガポールなどは規制の柔軟さを武器にスタートアップ誘致を加速しているため、日本市場は規制整備のスピードと実効性が試される局面にある。
今回の動きが一過性に終わらず、産業全体の活性化につながるか、今後も注目したい。