金沢工業大学、33億円投じ「Xデザインラボ」開設へ AI×各分野で社会課題研究

2025年8月19日、金沢工業大学はAIなどの情報技術と他分野を融合させる新研究所「Xデザインラボ」の地鎮祭を行った。
事業費33億円を投じ、2027年3月の完成を予定している。
AIと建築・経営を融合 「Xデザインラボ」始動
金沢工業大学が建設する「Xデザインラボ」は、AIや建築、経営など幅広い分野と掛け合わせ、10年後の社会課題に対応する研究を進める拠点となる予定だ。
4階建ての施設には、水素自動車の研究スペースや3Dプリンターなどの先端設備が設置されるほか、建物内で生み出されたエネルギーを活用し、食料を生産する工場も併設される。
19日の地鎮祭には大学関係者が参列し、今後の研究に向けた期待感が示された。
大澤敏学長は「自分たちが自分たちの地球をどうすべきか 我々の世界がどのように人々に貢献していくか このことをテクノロジーとともに考える」と語り、持続可能な未来像を探る場としての意義を強調した。
完成は2027年3月の予定であり、北陸地域における新しい研究・産学連携の中核施設になると見込まれる。
未来社会の課題解決拠点 期待とリスクの両面
「Xデザインラボ」の開設は、AIや先端技術を基盤に社会課題を総合的に解決するモデルケースとなる可能性がある。
異分野を横断する研究は、エネルギー、環境、都市設計といった複雑な課題に新しい解決策をもたらすことが期待される。
特に、AIを経営や建築に応用する試みは、産業構造そのものを変革する契機になると考えられる。
一方で、大規模な研究施設の建設には運営コストや人材確保の課題も伴うだろう。
社会実装を視野に入れた成果をどれだけ創出できるかが重要になると思われるが、実験的研究のみにとどまれば、投資効果が限定的になる懸念もある。
産学官の協力や国際的な連携を強化し、研究成果を現実社会にいかに還元できるかが、今後の焦点となりそうだ。