楽天ウォレット、初のWeb3ゲーム公開 お買いものパンダでNFT獲得とポイント抽選

2025年8月14日、楽天ウォレットは自社アプリ「web3ウォレット」で初のWeb3ゲーム「楽天ウォレットTAPTAP」を提供開始した。楽天グループ公式キャラクター「お買いものパンダ」を起用し、NFTを通じて「楽天ポイント」が抽選で得られる仕組みを導入した。
「お買いものパンダ」登場、NFTでポイント抽選に参加
楽天グループ公式キャラクター「お買いものパンダ」を題材にしたタップ型Web3ゲーム「楽天ウォレットTAPTAP」は、画面上のキャラクターをタップすることで「タップポイント」を蓄積できる。それを基に「楽天ポイント」が抽選で当たるNFT「楽天ポイント交換・抽選チケット」を獲得できる仕組みだ。
この「楽天ポイント交換・抽選チケット」はNFT(※)として発行されるが、ユーザーはブロックチェーンの専門知識を持たなくても利用可能で、簡単にWeb3サービスを体験できる設計となっている。
NFTのデザインには「お買いものパンダ」があしらわれており、ゲームとNFTがブランド資産として連動している点も特徴的だ。
また提供開始を記念して、同社は「楽天ポイント」が当たるキャンペーンを実施している。
※NFT:ブロックチェーン上で唯一性を保証するデジタル資産。画像や音楽、ゲーム内アイテムなどに利用され、所有権の証明や取引が可能となる技術。
Web3普及の突破口となるか ゲーム化とポイント経済圏拡大
ゲームを通じたNFT獲得と、現実世界でのポイント利用を結びつける仕組みは、Web3技術に日常的に触れるきっかけとなり、利用者の裾野を広げる試みであると言える。
特に「お買いものパンダ」という親しみやすいキャラクターを活用し、抽選やポイントといった既存ユーザーに馴染み深い仕組みと結びつけることで、Web3の難解さを軽減している点は注目できる。
一方で、NFTの獲得がポイント抽選という形に限定されているため、Web3ならではの二次流通や資産性をどこまで拡張できるかは今後の課題だろう。
また、利用者にとっては「遊びながらポイントが当たる」という動機づけは強いが、ブロックチェーン活用の深い理解につながるかどうかは未知数である。
楽天グループはこれまでも「楽天ポイント」を中心に経済圏を拡大してきた。今回のゲーム化は、その延長線上でWeb3を融合させる実験的取り組みといえる。
もし本サービスが好調であれば、今後は複数のキャラクターやコンテンツとの連携、さらには楽天市場や金融サービスと組み合わせた新たな利用モデルへ発展する可能性もあるだろう。
Web3ゲーム市場は海外企業が先行してきたが、日本国内大手の楽天が本格参入したことで、ユーザー体験を通じた普及の加速に期待がかかる。
今回の施策が「Web3は難しい」という従来のイメージを払拭する突破口となるか、注目される。