Microsoft、スキャンアプリ「Lens」を段階的廃止へ Copilotアプリへの移行を推奨

2025年8月7日、米Microsoftがスキャンアプリ「Microsoft Lens」の提供終了を発表した。年末までに利用が制限され、代替として「Microsoft 365 Copilot」アプリの利用が推奨されている。
「Microsoft Lens」年内で機能停止 Copilotが後継アプリに
Microsoftは長年提供してきたスキャンアプリ「Microsoft Lens」を2025年12月に終了する。9月15日から廃止が始まり、11月15日に公式サポート終了とアプリ削除が実施される。
12月15日以降は新たなスキャンができなくなり、端末に残ったアプリでは過去のスキャンのみ閲覧可能となる。
代替候補としては「Adobe Scan」「PhotoScan」「TurboScan」などが挙げられるが、Microsoftは独自の後継として「Microsoft 365 Copilot」アプリを提示している。
推奨されているのは、通常版ではなく、Microsoft 365アカウントと連携するタイプだが、サブスクリプションなしでもスキャン機能は利用可能だ。
Copilotアプリでは、メニューから「Create(作成)」→「Scan(スキャン)」を選択し、カメラで撮影するだけでスキャンが完了する。プレビュー画面での回転やトリミング、再撮影、削除などの編集が可能で、保存先はローカルまたはOneDrive同期が選べる。
ただし、CopilotはLensと比べて名刺管理や文書読み上げ、Immersive Reader連携などの一部機能が未搭載である。
現状は機能制限があるものの、Microsoft製品への依存度が高いユーザーにはCopilotが現実的な選択肢となる。
スキャンアプリ廃止の波紋、企業ユーザーの対応と今後の展望
今後、Microsoft Lensの段階的廃止により、多くの企業ユーザーは業務プロセスの見直しを迫られる可能性が高い。特に文書のデジタル化が日常的な部門では、新たなツール導入に伴う教育や運用体制の整備が急務となるだろう。
また、既存のスキャンデータの管理方法も重要な課題である。
Lensの廃止に伴い、データ移行やバックアップ戦略を再考する企業が増えると考えられるため、クラウドストレージの活用やセキュリティ面の強化も必要となりそうだ。
一方で、代替となるスキャンアプリの選択肢は多様化しているため、業務ニーズに合わせた最適なツール選定がカギとなる。Microsoft製品との親和性を重視する場合はCopilotが有力だが、機能面の差異を踏まえた評価が必要だ。
今後はAI技術のさらなる進化に伴い、スキャン機能だけでなく文書管理や分析支援も統合された総合的な業務支援ツールの普及が見込まれる。
企業はこれらの変化をチャンスと捉え、効率化と生産性向上を実現する体制構築が求められるだろう。