マイクロソフト、Copilotに3D生成機能 画像1枚からモデリング可能に

2025年8月11日、米マイクロソフトは生成AI機能「Copilot」の新機能として、2D画像から完全な3Dモデルを生成できる「Copilot 3D」を発表した。
無料で利用でき、特別なスキルや専用ソフトは不要だ。
2D画像をGLB形式の3Dモデルに変換
マイクロソフトは「Copilot Labs」を通じ、世界中のユーザーが無料で使えるAI搭載ツール「Copilot 3D」を提供開始した。有料サブスクリプションは不要だが、利用にはMicrosoftアカウントでのサインインが必要となる。
主要なモバイルブラウザーにも対応するが、同社はデスクトップPCでの利用を推奨している。
Copilot 3Dは、ユーザーが所有または利用権を持つPNGまたはJPG(10MB未満)の画像1枚から、自動で完全レンダリングされた3Dモデルを生成する。
生成ファイルはGLB形式(※)で保存され、多くの3Dビューアー、デザインツール、ゲームエンジンと互換性を持つ。また、「Microsoft Paint 3D」でも開ける。
画像アップロードから生成までの手順は簡単で、「Upload」ボタンから画像を選び、「Create」を押すだけで処理が開始される。推奨される画像は単一被写体、均一な照明、シンプルな背景のものだ。
イラストやアートワークが最適だが、写真も利用可能である。生成後はマウス操作で全方位からモデルを閲覧でき、気に入ればダウンロード、不満なら再生成が可能だ。
作成したモデルは「My Creations」ページに保存され、手動で削除できるほか、28日後には自動削除される仕組みとなっている。
※GLB形式:3Dモデルを保存するためのファイルフォーマット。テクスチャやマテリアル情報を含めたデータを効率的に格納でき、Webや各種3Dソフトで広く利用される。
3D制作の民主化で創作分野や教育に波及も
Copilot 3Dの登場は、従来専門知識や高価なソフトが必要だった3D制作の敷居を大きく下げる可能性がある。
特に、コンセプトアートや製品デザインの初期段階において、迅速な試作やアイデア検証が可能となる点は大きな利点だ。
教育現場でも、美術やデザインの授業で手軽に立体表現を試せる環境が整うだろう。
一方で、著作権の観点からは注意が必要だ。
利用可能な画像は所有権や使用権が確認できるものに限られており、商用利用の際には権利侵害のリスク回避が求められる。
また、AIが生成する3Dモデルの品質は元画像に依存するため、用途によっては精度や表現力に限界があると考えられる。
今後、マイクロソフトがCopilot 3Dを既存のOffice製品やTeamsなどと統合すれば、業務やコラボレーションの場面でも立体コンテンツの活用が進む可能性が高い。
デジタル制作の裾野拡大とともに、3Dデータの生成・共有が日常化する時代が近づいていると言える。
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