Spotify上でチケット購入が可能に ローチケと連携しライブ発見を強化

2025年8月6日、音楽ストリーミング大手のSpotifyは、ローソンエンタテインメントが運営する「ローソンチケット(ローチケ)」とのチケット連携を開始した。
Spotify上でアーティストのライブ情報を確認し、そのままチケット購入まで完結できる仕組みだ。
Spotifyとローチケが連携、ライブ情報から即購入可能に
Spotifyは8月6日、ローソンエンタテインメントのチケット販売サービス「ローチケ」との新たな連携を発表した。
これにより、ユーザーはSpotify上でアーティストのプロフィールやリリース情報を閲覧する際、同アーティストのライブイベント情報にスムーズにアクセスでき、そのままローチケの販売ページでチケット購入を行うことが可能になる。
この取り組みは、2019年のイープラス、2025年6月のZaikoに続く国内3例目の連携となり、国内外のライブチケット販売サービスとのネットワーク拡大を示す動きでもある。
対象となるライブイベントはジャンルや都市、規模を問わず幅広く、Spotifyがもつ楽曲再生履歴やリスニング傾向をもとに、ユーザーごとに関連性の高い公演が表示されるのが特徴だ。
ライブ発表時に即座に関連情報が通知される設計となっており、発見から購入までの導線が格段に向上している。
Spotifyは今回の連携により、日本の音楽ファンがより多様なライブ体験を手軽に見つけ、参加できる環境を整えるとしている。
音楽体験のパーソナライズが進化 ライブ市場の拡大に追い風
今回のSpotifyとローチケの連携は、ストリーミングとライブ体験の境界を曖昧にする象徴的な動きといえる。
特に注目できるのは、ユーザーの聴取履歴をもとに公演を提案するレコメンド機能であり、これにより従来は見落とされがちだった中小規模のライブイベントにも新たな集客機会が生まれる可能性がある。
アーティストにとっては、自身の楽曲を聴いているファンに対して、直接ライブ情報を届けられることが大きなメリットとなるだろう。
プロモーションや広告に頼らずとも、アルゴリズムが関心層へ自然に情報を届けるため、動員効率の向上が期待される。
一方で、プラットフォームに依存する構造が強まることで、チケット販売の流通が偏る懸念もある。
特定の配信サービスに露出が集中すれば、多様なチケット流通経路や自主運営のイベントが埋もれるリスクも否定できない。
とはいえ、音楽ファンにとっては「好きなアーティストを聴いていたらライブ情報が届く」という体験そのものは、新たな価値となりうる。
Spotifyのような巨大プラットフォームがリアルイベントと接続することで、アーティストとファンの距離はさらに縮まり、ライブ市場全体の拡大にもつながる可能性が高い。