GoogleのAIノートアプリ「NotebookLM」に自動動画図解機能を追加 ノートPDFや画像から動画を自動生成

現地時間2025年7月29日、米Googleは、AI搭載ノートアプリ「NotebookLM」に新機能「Video Overviews(ビデオ概要)」を追加したと発表した。
PDFや画像などの資料から視覚的に内容を説明する機能で、英語ユーザー向けに順次提供が開始された。
NotebookLMが「ビジュアルで学ぶ」体験を本格実装
Googleは、AIベースのリサーチ支援ツール「NotebookLM」に「Video Overviews(動画概要)」を導入した。
従来の音声要約機能「Audio Overviews」に続く新機能で、画像や図表、引用、数値を活用してアップロードされた文書の内容を動画形式で視覚的に解説するものだ。
本機能の目的は、複雑な概念や抽象的な内容を、ユーザーによりわかりやすく提供することにある。
たとえば、データの関係性を図解したり、プロセスの流れをアニメーションで説明したりと、視覚的な提示によって知識の定着を図る設計となっている。
また、関心のあるトピックや学習目標、対象とする視聴者層を指定して要約内容をカスタマイズすることもできる。
「このトピックは全く知らないので、基礎から教えて」といった初心者向けの要望もできるほか、特定のトピックのみに集中するように指示することもでき、柔軟に対応可能だ。
この機能は、5月に開催された開発者会議「Google I/O」で発表されていたもので、今回から英語版ユーザーを対象に順次公開されている。
他言語への対応も今後進められる予定だ。
またGoogleは同日、NotebookLM内の「Studioパネル」にも機能強化を施した。
これにより、Audio OverviewsやMind Map(※)、レポート機能などを1クリックで生成できるタイル式UIが追加されたほか、複数の出力を同時に保存・並行利用することが可能になった。
※Mind Map:思考の整理や発想の展開に用いられる図解手法。中心となる概念から放射状にキーワードを展開する構造を持つ。
学習スタイル多様化の一手 可視化でAIアシスタントは次の段階へ
今回のVideo Overviews機能によって、ユーザーはより直感的な情報の理解ができるようになり、NotebookLMは情報理解ツールとしてさらに発展したと言える。
とりわけ、プロセス解説や複雑な図表の理解、データ分析といった領域では、動画による可視化が強力な補助となるだろう。
従来の静的な資料と比べて、動的かつ直感的な提示によって学習効率が高まる可能性がある。
一方で、AIが自動生成するビジュアル表現には誤解を招くリスクもある。
特に専門性の高い分野では、生成物の正確性や情報の文脈が適切に保たれているかを確認することが重要であるため、ユーザーの使い方にも工夫が求められる。
ユーザーは今後、マインドマップを見ながら音声要約を聞くといったマルチタスク的な学習体験も行えるようになるため、AIによる学習支援はさらに総合的なツールへと進化する見通しだ。