HashPort開発のWeb3アプリ「EXPO2025デジタルウォレット」がAppStore6位に

2025年7月21日、HashPort(ハッシュポート)の吉田世博代表取締役CEOは、同社が開発する「EXPO2025デジタルウォレット」がAppStoreファイナンスカテゴリで6位、無料アプリ総合で91位にランクインしたことを明かした。大阪・関西万博の公式アプリとしてWeb3機能を持ち、ユーザー拡大が注目される。
Web3搭載の万博公式アプリ、ファイナンス部門6位に浮上
Web3インフラを手がけるHashPortの吉田世博CEOは7月21日、自身のX(旧Twitter)上で「EXPO2025デジタルウォレット」がAppStoreランキングで上位に入ったことを報告した。ファイナンスカテゴリで6位、無料アプリ総合では91位を記録している。
同氏は「多くの万博来場者の方に、デジタルウォレットの新機能をご利用いただき、チーム一同励みになります」と投稿し、Web3ウォレットの普及に向けた意気込みを示した。
このウォレットは大阪・関西万博の公式アプリであり、万博限定の電子マネー「ミャクペ!」によるキャッシュレス決済や、ポイントサービス「ミャクポ!」といった機能を提供する。Web2の利便性とWeb3の革新性を融合させた構成となっており、従来の金融アプリとは一線を画す設計だ。
さらに、NFTやSBT(※)などの分散型技術も活用されている。来場者はスタンプラリー形式でNFT「ミャクーン!」を収集でき、企業連携を通じて譲渡不可能なSBTを獲得することも可能だ。
アプリ分析サイト「APPLION」によれば、iPhone版では7月21日時点でファイナンス部門6位、総合ランキングで7月19日に79位を記録。Android版でも同日時点でファイナンス11位、総合178位と、両OSでの健闘が確認されている。
※SBT(ソウルバウンドトークン):ブロックチェーン上で一度発行されると譲渡・転売できないトークンのこと。個人の資格証明や参加履歴など、パーソナルな情報を証明する手段として注目されている。
万博がWeb3普及の実証場に 評価分かれるSBT導入の影響
EXPO2025デジタルウォレットの成功は、Web3技術の社会実装における重要なマイルストーンと見なされつつある。特にNFTやSBTの活用により、単なる決済アプリにとどまらず、「参加型」「証明型」の体験設計が実現されている点は評価が高い。
SBTは一度発行されると譲渡できず、来場者が得た体験や参加履歴を記録する「デジタル証明書」として機能する。そのため、教育・行政・観光といった他分野での応用も期待される。一方で、匿名性の確保や情報の取り扱いに関するリスクも考えられ、ユーザーのリテラシー向上が不可欠だ。
今回のランキング上昇には、万博来場者を中心とした利用者拡大に加え、SNSやWebメディアでの紹介効果も影響していると考えられる。
万博終了後もこのアプリが継続利用されるかは未知数だが、HashPortにとっては大規模なユーザー接点を得る絶好の機会であり、他自治体や企業による追随の動きも今後出てくる可能性がある。