ストラテジー、ビットコイン保有総数60万BTC超え 追加購入で最大保有数更新

2025年7月21日、米上場企業ストラテジーが新たに6,220BTCを追加購入したと発表した。これにより同社の総保有量は約60万7,770BTCとなり、上場企業として世界最大のビットコイン保有数をさらに更新した。
6,220BTCを約1,089億円で取得、平均価格は過去最高水準に
ストラテジーは7月14日から7月20日にかけて、6,220BTCを取得額約7億3,980万ドル(約1,089億円)で購入したと発表した。今回の平均取得価格は1BTCあたり約11万8,940ドル(約1,751万円)で、同社の過去平均を上回る。
今回の購入により、同社の保有ビットコインは総計60万7,770BTCに達した。
手数料と経費を含む取得額は約436.1億ドル(約6兆4,205億円)で、平均取得単価は1BTCあたり7万1,756ドル(約1,056万円)とされる。
また、2025年の累計利回りは20.8%とされ、戦略的なビットコイン投資が実を結んでいることが示唆される。
なお、前回の追加購入は7月14日に発表されたもので、7月7日〜13日の期間に4,225BTCを取得していた。短期間での連続購入は、同社の強気な市場見通しとポジション拡大の意図を反映していると見られる。
同日、ストラテジーは新たな優先株「ストレッチ(STRC)」の発行も発表。1株あたり100ドルで500万株を販売し、総額5億ドルを調達する予定である。STRCは既存のSTRK、STRF、STRDに続く新たなシリーズとして位置づけられる。
機関投資家の買い増しが続く中、BTC相場に安定感も
ストラテジーの継続的なビットコイン買い増しは、2025年に入ってからのBTC価格上昇を裏付ける要因のひとつとなっている。年初来のBTC利回りが同社で20.8%に達していることからも、こうした大型プレイヤーの買い支えが市場に一定の安心感をもたらしていると言える。
特に今回の取得単価が市場価格とほぼ同水準である点は注目に値する。これまでのように安値を狙う買いではなく、長期的な価値上昇を見込んだ戦略的な取得である可能性が高い。これは他の機関投資家にとっても、追随を促すシグナルになりうる。
一方で、価格が過去最高水準に近づく中での買い増しはリスクも孕む。仮にBTC相場が急落すれば、取得額の大きさゆえに含み損リスクも拡大する。
加えて、株式などの金融商品を通じた資金調達を伴う動きには、金利や投資家心理の影響も受けやすいという側面がある。
とはいえ、ストラテジーのような上場企業による継続的な買い入れは、市場のボラティリティ抑制にも寄与しうる。
今後は、同様のモデルを採用する企業やファンドの動向が、BTC相場全体の方向感を占う重要な指標となるだろう。