GUGAの「生成AIパスポート試験」、受験者が初の1万人超え リテラシー普及に弾み

2025年7月17日、一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)は、「2025年6月 生成AIパスポート試験」において過去最多となる1万759人が受験したと発表した。前回比で約1.6倍に増加し、生成AIリテラシーの関心拡大を裏付ける結果となった。
生成AIパスポート試験、過去最多の受験者数を記録
GUGAが提供する「生成AIパスポート試験」は、生成AIに関する基礎的な知識とリスク管理能力の可視化を目的とした資格制度である。
2025年6月に実施された最新版の試験には前回から約1.6倍にあたる1万759人が参加。うち8300人が合格し、合格率は77.14%だった。
この試験ではAIの基本原理や活用方法に加え、情報漏えいや著作権侵害などの倫理的・法的リスクにも焦点を当てており、ビジネスパーソンや教育機関、行政関係者など幅広い層からの支持を得ている。
受験者数は累計で2万7101人、合格者数は2万900人に達し、資格としての社会的認知度も高まりつつある。
試験はオンライン(IBT方式)で実施され、問題数は60問、制限時間は60分。費用は税込1万1000円(学生は5500円)で、企業・団体単位での割引受験制度も用意されている。
次回の試験は2025年10月1日から30日にかけて実施予定で、申込受付は9月末まで行われる。
生成AIリテラシーの浸透加速 資格取得で信頼担保の動きも
生成AIの導入が進むなか、倫理的な利用や適正な運用を担保するためのリテラシー教育の必要性が増している。GUGAの「生成AIパスポート」はその第一歩として位置づけられ、資格取得を通じた人材育成の動きが企業や自治体で広がりつつある。
実際試験内容は実務に直結する構成となっており、「どの情報を使ってよいか」「どこで著作権侵害になるか」といった判断力を問う設問が並ぶ。AIを業務に取り入れつつも法的リスクを回避したい現場にとって、取得者の存在は一定の信頼指標になるだろう。
一方で、生成AIの進化速度に対して、リテラシー教育の更新頻度が追いつくかという懸念もある。GUGAが今後、試験の設問バリエーションや教材のアップデートを進めていくことが求められ、資格制度としての信頼性維持が課題となるだろう。
生成AIの社会実装が進む中、同試験が果たす役割は今後さらに拡大していくと見られる。