GiGO秋葉原1号館が8月末で閉館へ 30年超の歴史に幕、象徴的存在に別れ告げる声続々

2025年7月15日、ゲームセンター「GiGO秋葉原1号館」が8月31日をもって閉館することが、運営元GENDA GiGO Entertainment(東京都港区)より発表された。
1992年の開業以来、秋葉原を象徴するランドマークとして親しまれてきたが、建物の賃貸契約満了により30年以上の歴史に幕を下ろす。
秋葉原の象徴、GiGO1号館が30年の歴史に幕
1992年に「ハイテクランド・セガ シントク」として誕生したGiGO秋葉原1号館は、時代とともに「ハイテクランド・セガ秋葉原」「クラブセガ秋葉原」「セガ秋葉原1号館」と名称を変えながら、2022年からは現名称で営業を続けてきた。
赤いファサードが特徴的な外観は、秋葉原の街並みにおける視覚的アイコンとして定着していた。
今回の閉館は、建物の定期建物賃貸借契約が満了することによるもので、新たな運営主体としてアミューズメント施設を手がけるマタハリーエンターテイメント(神奈川県川崎市)が後継施設の展開を予定している。
SNS上では「衝撃すぎる」「お世話になりました」「アキバの象徴がなくなるのか」といった投稿が相次ぎ、惜別の声が広がっている。
なお、「GiGO秋葉原2号館」「3号館」「5号館」の3店舗は引き続き営業を継続する。
運営元のGENDA GiGO Entertainmentは「これまで以上に秋葉原および日本のポップカルチャーの発展に貢献していく」とコメントしている。
GiGOはマタハリー側と協力体制を築くとしており、業界内での連携を深めながら地域活性化に貢献する意向を示している。
秋葉原の再編と継承 文化拠点の交代に注目
GiGO秋葉原1号館の閉館は、単なる施設の終焉にとどまらず、秋葉原という文化圏の地殻変動とも言える。
1990年代から2000年代初頭にかけて、アーケードゲームとオタク文化の中心地として成長した秋葉原は、時代の変化にあわせてその性格を変えつつある。
利便性と集客力を兼ね備えた立地の価値は依然として高く、再開発が進む秋葉原の中でも重要なポジションを担うと見られる。
新たな運営主体であるマタハリーエンターテイメントが参入することで、施設が刷新され、より現代的なアミューズメント空間が誕生する可能性がある。
しかし、長年親しまれてきた「秋葉原の象徴」が失われることへの感傷や、文化的継承の喪失は懸念事項だ。
後継施設がどれほど既存のカルチャーとの連続性を保てるかは不透明であり、安易な商業主義に傾けば、かえって地域の魅力が損なわれるおそれもある。
伝統的なアーケードカルチャーと、次世代エンタメが上手く交錯する場となるか、今後の秋葉原の動向にも注目したい。