楽天ペイ、全国の自治会・町内会で利用可能に　地域会費のキャッシュレス化が本格始動

2025年7月14日、楽天グループの楽天ペイメントは、キャッシュレス決済サービス「楽天ペイ」が全国の自治会や町内会の会費支払いに対応したと発表した。
現金依存の地域コミュニティにおける集金業務を効率化し、運営の透明性向上を図る取り組みだ。

自治会・町内会費に楽天ペイが対応　7月14日から全国展開へ

楽天ペイメントは、2025年7月14日より「楽天ペイ」を全国の自治会や町内会での会費支払いに利用可能とした。
これにより、地域の集金活動においてもキャッシュレス対応が進み、住民は「楽天キャッシュ」「楽天ポイント」、クレジットカードなどから好みの方法で支払えるようになった。

特に、これまで現金徴収に頼っていた地域では、集金担当者の負担や現金紛失のリスクが軽減される。
加えて、手書き帳簿や現金管理による煩雑な会計処理もデジタル化されるため、事務作業の効率が大きく向上する。

東京都では同日より「町会・自治会デジタル化推進助成」の対象に楽天ペイが追加された。
導入費用や利用に関わる経費が一部助成され、対象となる団体は都の専用ページで条件を確認の上、申請が可能である。

楽天ペイメントはこれまでにも商店街や屋台イベントでのキャッシュレス導入を支援し、自治体との連携を強めてきた。
今回の会費支払い対応は、同社が地域社会のデジタル化を推進する一環と位置付けられる。

地域社会のデジタル化を後押し　透明性と参加意識の向上にも期待

自治会や町内会は、地域住民との接点が多くある一方で、アナログな運営が根強く残っていた。
今回の楽天ペイ対応により、金銭のやり取りが記録・可視化され、会計の不正リスクを防止する効果も期待される。デジタル領収書の発行により、住民の支払確認も容易になる。

加えて、若年層を中心に現金を持ち歩かない生活スタイルが広がる中で、キャッシュレス対応が地域活動への参加ハードルを下げる可能性がある。支払いの簡便さが加入促進につながれば、地域コミュニティの活性化にも寄与するだろう。

一方で、高齢者やスマートフォンを使い慣れていない層への対応も求められる。導入にあたっては、デジタルリテラシーに配慮した説明会やフォロー体制が重要となる。

政府もキャッシュレス比率の引き上げを掲げており、自治会のデジタル化はその一環として注目されている。
今後、他の決済手段との連携や、会員情報管理のオンライン化といった発展も見込まれる。
楽天ペイの導入は、単なる支払い手段の刷新にとどまらず、地域運営そのものの変革を促す可能性がある。