メタプラネット、138億円でビットコイン追加購入 上場企業で世界5位の保有量に

2025年7月14日、株式会社メタプラネットは、ビットコインを797BTC追加購入したと発表した。
これにより同社の総保有量は16,352BTCとなり、上場企業として世界第5位の規模に達した。
1週間で3,000BTC超を取得 資産戦略に加速感
メタプラネットは14日、約138億円を投じて797BTCを追加購入したと発表した。メタプラネットは、日本初で唯一の上場ビットコイントレジャリー(※)企業だ。
購入単価は1BTCあたり1,731万2,239円。1週間前の7月7日にも2,205BTCを取得しており、合計3,002BTCを約482億円相当で買い入れた計算になる。
同社はビットコインを「財務準備資産の中核」とする戦略を明示しており、株主価値の最大化を目的に、積極的な資金調達と資産運用を並行して行っている。
今回の買い増しにより、累計保有量は16,352BTC、通算平均取得価格は1,465万3,636円。現時点での評価額(1BTC=1,780万円換算)は約2,912億円にのぼり、含み益が発生している状況だ。
この戦略の背景には、機動的な資金調達手法がある。
7月4日にはEVO FUND向けに発行した第19回普通社債のうち60億円相当分を早期償還し、10日には第20回新株予約権の行使により900万株を新規発行するなど、柔軟な資金調達を継続している。
また、2026年末までに10万BTC、2027年末までに21万BTC以上の保有を目指す「555ミリオン計画」も進行中であり、今回の購入もその一環とみられる。
※ビットコイントレジャリー:企業がビットコインを長期保有し、資産の一部として管理・活用する戦略。通常はインフレヘッジや将来の資産価値上昇を狙って導入される。
企業による長期保有戦略が市場へ与える影響とは
メタプラネットの急速なビットコイン買い増しは、国内外の市場参加者に一定のインパクトを与えるだろう。
同社の現在の保有量は、MicroStrategyやMarathon Digitalといったビットコイン長期保有企業と肩を並べる水準に達しており、日本企業としては異例の積極姿勢である。
一方で、デメリットやリスクも顕在化している。
含み益は市場の変動によって一転して損失に転じる可能性があり、四半期ごとの決算報告において業績のブレが大きくなると予想できる。また、資金調達にあたって新株予約権の行使や社債発行が繰り返されることで、株式の希薄化や信用リスクの拡大が発生するリスクも無視できない。
今後は、他の日本企業がこのような戦略に追随するかどうかが焦点となるだろう。
金融当局の対応や市場の成熟度も含め、国内でのビットコイン財務戦略の広がりには慎重な見極めが必要になると思われる。
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