サイバーエージェント、AI推論基盤にOCI採用 日本オラクルと戦略的連携強化

2025年7月8日、日本オラクルはサイバーエージェントがAI推論基盤に「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」を採用したと発表した。両社は生成AIやデータ活用分野での技術協力を一層強化し、AIサービスの社会実装を加速させる方針だ。
サイバーエージェント、AI基盤にOCIを導入 高コスパと柔軟性を評価
サイバーエージェントは、デジタル広告領域におけるAIサービスの推論基盤として、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)(※)のAIインフラストラクチャーを正式採用した。
同社は2023年以降、研究開発組織「AI Lab」を中心に、日本語大規模言語モデル(LLM)「CyberAgentLM」や「CyberAgentLM2」、大規模視覚言語モデル(VLM)など先進的なAI技術を次々と発表してきた。
これらの技術は、広告効果予測サービス「極予測AI」などにも応用されている。
今回OCIを選定した理由として、サイバーエージェントはグローバルなAI開発企業に広く採用されている実績、優れたコストパフォーマンス、大規模AI推論ワークロードへの対応力を挙げている。
さらに、グループ会社AI Shiftは2025年3月、企業専用AIエージェント構築プラットフォーム「AI Worker」において、OCI上の「Oracle Autonomous Database」を活用した新ソリューションの提供を開始している。
サイバーエージェント常務執行役員の内藤貴仁氏は、「オラクルのAIインフラやデータマネジメント技術との組み合わせによって革新的なソリューションを生み出している。特にAIを用いたサービスの推論基盤には、コスト効率に優れたOracle Cloud Infrastructureを活用しており、AIの社会実装を支える重要な土台と位置付けている」とコメントしている。
※OCI(Oracle Cloud Infrastructure):オラクルが提供するクラウドサービス。AI・機械学習用の大規模演算やデータ管理に強みを持つ。
生成AI活用拡大へ 両社連携が企業のデータ活用を後押し
今回のサイバーエージェントによるOCI採用は、いくつかの明確なメリットを持つと考えられる。
まず、Oracle Cloud Infrastructureの高いコストパフォーマンスと柔軟性は、大規模AI推論の運用負荷を低減し、AIサービスのスケーラビリティを確保する上で優位に働くだろう。
特に「極予測AI」や「AI Worker」といった実用的なサービス群において、より高速かつ効率的な推論処理が可能になる点は大きいと思われる。
また、オラクルのデータ管理技術と組み合わせることで、AIモデルの性能維持やデータ利活用の最適化が期待される。
一方で、懸念点も存在する。
AIインフラの大規模化は、エネルギー消費量の増大やカーボンフットプリントの拡大といった環境負荷を伴う。加えて、生成AI基盤としての活用が進むにつれ、プライバシー保護やサイバーセキュリティへの対策も一層重要になると考えられる。
オラクルが推進するエネルギー効率の向上策やセキュリティ機能強化は一定の安心材料になるが、引き続き注意は必要だろう。