日本オラクル、国内初の「ジャパン・オペレーション・センター」開設 AI活用とソブリンクラウド導入を加速

2025年7月8日、日本オラクルは「ジャパン・オペレーション・センター」を開設した。国内企業向けにAI活用とソブリンクラウド(※)導入を支援し、データ主権やコンプライアンス対応の強化を図る拠点として運用を開始する。
AIとソブリンクラウド導入を支える国内拠点が稼働
日本オラクルは、国内企業のクラウド活用とAI技術の普及を促進するため、「ジャパン・オペレーション・センター」の開設を発表した。
同センターは、Oracleのクラウドプラットフォーム「Oracle Alloy」のパートナー企業に向けて、運用ノウハウや技術サポートを提供し、事業拡大を支援する役割を担う。
この取り組みは、Oracleが2024年に発表した「日本に10年間で80億ドル以上を投資する計画」の一環だ。
背景には、日本国内で高まるAI活用ニーズと、データ主権を重視する企業の増加がある。近年、金融・医療・公共分野を中心に、国内データ管理や法規制対応が課題視されており、グローバルクラウドベンダーに対する「ローカル対応」への期待が高まっている。
日本オラクル社長の三澤智光氏は、「AIは、日本における次なるイノベーションと経済成長をけん引する大きな原動力となる。(当社は)日本のお客さまがAI時代において持続的な成長と競争力を発揮できるよう貢献していく」と述べている。
センターは年中無休で稼働し、業界最高水準のSLA(サービス品質保証)を掲げる。さらに日本在住のエンジニアによる体制強化も進め、国内法への迅速な対応を実現する。
※ソブリンクラウド:データの保存や処理を特定国や地域内に限定し、その国の法規制に準拠するクラウドサービスの形態。
AI時代におけるデータ主権強化と企業競争力の行方
日本オラクルが開設した「ジャパン・オペレーション・センター」は、日本市場におけるクラウド活用とAI導入の加速に向けた重要な布石となりそうだ。
最大のメリットは、データ主権の確保とコンプライアンス対応の強化にある。
ソブリンクラウドの導入により、国内法規制に準拠したデータ管理が可能となる点は、特に金融・医療・公共分野の企業にとって安心材料となるだろう。
また、日本在住エンジニアによる運用体制が整備されることで、迅速かつローカルニーズに即したサポートが期待される。一方で、デメリットとして懸念されるのは「国内完結型運用」の限界であろう。
ソブリンクラウドは国内データ保護には有効だが、海外との技術連携が希薄になり、グローバルなイノベーションの取り込みが遅れるリスクを抱える。
生成AIやクラウドネイティブな新技術は、米国や欧州を中心に進化しているため、最新動向へのアクセスが制約されやすいことには注意が必要そうだ。