副業初心者向け「ランサーズ 副業AI」提供開始 LINEスタンプ制作などをAIが支援

2025年7月7日、ランサーズ株式会社(東京都渋谷区)は、副業初心者向けのAI支援ツール「ランサーズ 副業AI」の提供を開始した。第一弾としてLINEスタンプの制作・販売をサポートする機能を搭載し、専門知識がなくても副業に取り組める環境を整えた。
LINEスタンプ制作が簡単に AIが副業の敷居を引き下げる
ランサーズが新たに提供する「ランサーズ 副業AI」は、生成AIを活用して個人の副業を支援するサービスである。
本来は一定の専門スキルや知識が求められるコンテンツ販売やSNSメディア運営といったスモールビジネスについて、初心者でも取り組めるようAIの力で支援することを目的としている。
その第一弾として、LINEスタンプ制作に特化した機能が搭載された。
キャラクター設定のためのキーワードやプロンプトを入力するだけで、AIがLINEスタンプ用のイラスト画像を自動生成する。テキストの挿入や配置の調整にも対応しており、人物写真からのイラスト化も可能となっている。
従来は複数の画像編集ツールやデザイン経験が求められたが、今回のサービスでは工程が一体化されており、制作から販売までを初心者でも完結できるという。
「ランサーズ 副業AI」は、今後も副業支援機能を段階的に拡張する計画だ。今後対応が予定されているのは、noteでのコンテンツ販売・Kindle出版・オンデマンドグッズ販売といった比較的始めやすい分野に加え、SNS運用・ブログ執筆・ショート動画台本の作成など中級レベルの業務にも及ぶ。
サービスの開発背景には、副業に対する関心の高まりと同時に、「始め方がわからない」「自分に何ができるかわからない」といった初心者特有の課題があったという。
同社は、そうした不安を抱える個人に対して、AIが“伴走者”として実務を支えることで、「“自分らしい働き方”の第一歩を後押し」する狙いがあると説明している。
副業の入り口としての役割に期待 今後の展望
ランサーズはこれまでも、企業のAI活用を支援する「AIエージェント事業」を展開しており、今回の個人向け展開はそのノウハウを活かした形と言えるだろう。
個人とAIの協働を促す取り組みは、デジタル領域における労働の選択肢を広げるものであり、今後の副業トレンドにも一定の影響を与えると推測される。
一方で、AI活用の知識やリテラシーの差によって成果にばらつきが生じる可能性もある。特に副業初心者にとっては、AIを使いこなすまでの学習コストが壁となる場面も想定される。利便性の裏側で発生し得る“格差”への対応が、今後の課題のひとつとなるだろう。
それでも、AIを通じて「まず始めてみる」環境が整うことで、副業への心理的ハードルが下がる効果は大きいと思われる。誰もが少しずつスキルを高めながら、自分らしい働き方を模索できる時代が、現実味を帯びつつあると言えそうだ。