Anthropic、「Claude」でアプリ作成と共有が可能に　Artifacts機能が本格アプリ対応へ進化

2025年6月25日、米AIスタートアップAnthropicは、生成AI「Claude」のArtifacts機能を強化し、ユーザーが本格的なアプリを作成・共有できるようになったと発表した。専用ダッシュボードの導入により、他者のアプリにも簡単にアクセス可能となる。

ClaudeのArtifacts機能がアプリ開発と共有に対応

Anthropicは、生成AI「Claude」のArtifacts機能を拡張し、ユーザーがインタラクティブなアプリケーションを作成・保存・共有できる環境を整備した。
新たに追加されたダッシュボードにより、ユーザーは自作のアプリを公開したり、他者が作成したアプリを一覧から選んで利用したりできる。

Artifactsは2024年に導入され、もともとはチャットの出力結果を視覚的に整理・表示するための機能だった。表示エリアがプロンプト入力とは独立しているため、図表やコードなどの生成物を視認性高く扱えるのが特長である。

今回のアップデートでは、こうしたArtifactsがアプリケーションとしての体裁を整え、外部と共有可能な形式に変わった。すでにゲーム、教育支援、データ分析など多様なアプリが作成されており、非開発者でも高度な機能を活用できる。

Anthropicは「今や誰もが簡単な会話を通じて、強力なアプリを作成できるようになった。」とアピールしており、APIキーや追加料金は不要と明言している。
無料プランのユーザーでも利用可能で、App Storeに類似したエコシステムの構築を視野に入れていると考えられる。

ノーコード開発の普及促進へ　創造支援と技術格差の懸念も

Artifacts機能の進化により、非プログラマーでも高機能なアプリを構築できる環境が整いつつある。これは技術的ハードルの低下を意味し、創造的な発想を誰でも実装可能にする点で画期的だ。
ビジネス用途においても、プロトタイプ作成や業務ツールの即時構築などに活用の余地がある。

一方で、開発プロセスがブラックボックス化する懸念もある。
ノーコードで生成されたアプリの挙動やセキュリティを利用者が十分に把握できないまま、運用に移行するリスクは無視できない。

また、Claude上で生成されたアプリは現在のところ同プラットフォーム内にとどまっており、外部との連携は限定的である。今後は、汎用性や移植性が課題となる場面も出てくる可能性がある。

それでも、生成AIとアプリ構築の融合は今後ますます加速するだろう。かつてJavaアプレットが進化を遂げたように、ClaudeのArtifactsも今後さらに洗練され、ビジネスや教育現場への導入が加速することが見込まれる。