シャオペンが香港モーターショー2025で最新AI自動車を初披露、グローバル展開加速へ

2025年6月12日から15日にかけて開催された香港国際自動車・サプライチェーン博覧会にて、中国EV大手シャオペン(XPENG)は最新スーパーAI自動車『G7』を含む多彩な車種と先端技術を公開した。
シャオペン、香港でAI自動車G7と技術群を公開
今回の博覧会でシャオペンは、中国本土で発表したばかりのスーパーAI自動車『G7』を香港で初めて一般公開した。『G7』は次世代のスマートEVとして位置付けられ、AIによる走行支援やインフォテインメント機能が大幅に進化しているとされる。
さらに、主力車種である大型7人乗りMPV『X9』、SUV『G6』、セダン『P7+』のほか、MONAブランド初のモデル『M03』も同時に展示された。
特に『X9』は、2025年5月に月間3227台を販売し、累計納車3万台を突破するなど、高級MPV市場で記録を更新している。香港向け右ハンドル仕様の『G6』は、2025年1〜5月の販売実績で同地域のSUV上位3位に入る好調ぶりを見せた。
また、今回の出展では地上走行と空中移動を両立する「陸上空母」や、IRON人型ロボットといった次世代技術も披露された。これにより、シャオペンは自動車分野だけでなく、ロボット・空中モビリティといった多角的なAI展開を強く印象づけた格好だ。
シャオペンは現在、全世界40カ国・地域で販売を展開しており、年内には60市場への拡大を計画している。2025年1~3月の販売台数は前年同期比370%増を記録し、シンガポールやデンマークなど9カ国で新興ブランド販売台数1位となった。
世界市場拡大とAI活用が生む新たな競争と課題
今回の新型『G7』や人型ロボットの発表は、シャオペンのAI技術戦略を体現するものだ。特に自動運転性能の高度化は、安全性向上や運転負担軽減をもたらし、消費者受け入れを後押しするとみられる。
一方、こうしたAI機能の高度化にはサイバーセキュリティや個人情報保護の課題も伴う。走行データや生体認証情報の活用が広がれば、法規制の強化やデータ管理の透明性確保が求められることになるだろう。
また、空飛ぶ車や人型ロボットといった次世代製品は市場の関心を集める半面、量産化や安全基準整備に向けた技術的・法的ハードルも依然として高い。特に海外市場においては各国の規制適合が不可欠であり、時間とコストの負担が増す可能性がある。
今後シャオペンが目指す世界60市場への拡大は、こうしたリスクへの対応力が成否を分ける要因となるだろう。逆に言えば、これらの課題をクリアできれば、中国発のAI×EVブランドとして世界的な存在感を一層強めることも考えられる。