Anthropicが「Claude Code」をMCP対応に 開発者のワークフローが大幅進化へ

2025年6月18日、米AIスタートアップのAnthropicは、AIコーディング支援ツール「Claude Code」が任意のModel Context Protocol(MCP)サーバーと連携可能になったと発表した。
これにより、開発者は自らの環境に応じた柔軟なワークフローを構築できるようになる。
Claude CodeがMCP対応で開発環境の自由度向上
Anthropicは、AIエージェントが外部システムと安全かつ柔軟に接続できる共通仕様「Model Context Protocol(MCP)(※)」を中心に、開発者向けの機能拡張を進めてきた。
今回、同社は自社のコーディング支援ツール「Claude Code」において、任意のMCPサーバーとの統合を正式にサポートしたと発表した。
Claude Codeは、ターミナルや統合開発環境(IDE)、バックグラウンドの環境において、コードの生成、編集、理解、デバッグなどを支援する高度な機能を提供しており、MCPとの連携によりこれらの機能がさらに強化される。
今回のアップデートでは、Claude Codeを介して開発者がサードパーティーの開発ツールやプロジェクト管理ツールへ直接アクセス可能となる。
たとえば、エラートラッキングツール「Sentry」のMCPサーバーと統合すれば、ターミナル内でエラー情報を即時に取得・解析できる。また、タスク管理ツール「Linear」と連携することで、リアルタイムでの課題状況把握が可能になる。
このように、MCP対応の拡大は、開発者が自らの作業スタイルや使用ツールに合わせたパーソナライズされたワークフローの構築を可能にする。
※Model Context Protocol(MCP):AIエージェントが外部システムと連携する際の標準仕様。安全かつ一貫したデータ接続を実現するために設計されたオープンプロトコル。MicrosoftやGoogleなども採用を進めている。
開発支援の汎用化が加速 Claudeの成長と課題
Claude CodeのMCP対応は、開発者にとって利便性の高い柔軟な作業環境をもたらす一方で、ツール間連携の複雑化やデータ保護といった新たな課題も伴う。
特に、外部ツールへのアクセス範囲が広がることで、情報セキュリティ面での設計やガバナンスが一層重要になると予想される。
とはいえ、市場はAnthropicの進化に好意的に反応している。「Claude 4」発表以降、Claude Codeの利用者数は3週間で160%増加し、企業からの注目度が急速に高まっている。Reutersによれば、Anthropicの年間収益はすでに30億ドルに達し、直近5カ月で200%の成長を遂げたと報じられている。
さらに同社は、6月初旬にClaude Codeを月額20ドルのProプランで提供開始しており、ユーザーの裾野拡大も順調だ。こうした動きから、Claude Codeは単なるコード補助ツールではなく、開発業務全体を統合・最適化する中核的存在へと進化しつつあるといえる。
今後、MCPを活用したツール連携事例の蓄積と、セキュリティ基準の整備が進むことで、Claude Codeの実用性はさらに高まり、開発現場におけるAIの活用幅は拡大し続ける見通しだ。