スターバックス、バリスタ業務に生成AI導入 「Green Dot Assist」でオーダー対応を効率化

2025年6月10日、米Starbucksがバリスタ向けの生成AIソリューション「Green Dot Assist」を発表した。年内に北米店舗で本格導入を開始し、複雑なオーダー対応や業務効率化を支援する。
バリスタ業務にAI活用 複雑オーダーも数秒でガイド
Starbucksが発表した「Green Dot Assist」は、店舗のバリスタがiPadを通じて利用する生成AIツールである。北米市場において、2025年内の導入が予定されている。
同社の特徴である多様なドリンクメニューは、従来バリスタがマニュアルを都度確認する必要があったが、これを数秒でAIがガイドすることで、サービス全体の質を高める狙いがある。
顧客ごとに異なるカスタマイズオーダーや新商品情報、手順などを即座に確認でき、業務の正確性とスピードが向上する見込みだ。
実際に使用するAI基盤について公式発表はないものの、米CNBCの報道によれば、MicrosoftのAzure OpenAI(※)サービスが採用されているという。
※Azure OpenAI:米Microsoftが提供するクラウド型のAIサービス。OpenAIの大規模言語モデルを活用できる。
接客品質向上と人員最適化 新技術がもたらす波紋
「Green Dot Assist」導入による期待効果は大きいだろう。
まず、注文時の確認作業や手順確認が効率化されることで、バリスタの心理的負担やヒューマンエラーのリスクが軽減されると思われる。
複雑なカスタマイズにも柔軟かつ迅速に対応でき、顧客満足度向上に直結する可能性が高い。
また、人材不足が深刻化する北米外食産業において、こうしたAI支援ツールの活用は新規スタッフの即戦力化や教育コスト削減にも寄与するだろう。
マニュアル学習の負担が減ることで、現場定着率の改善にもつながると考えられる。
一方で、過度なAI依存がスタッフのスキル低下を招く可能性や、AIシステム障害時の業務停滞リスクは懸念材料だ。
さらに、データ活用に伴うプライバシー保護やセキュリティ面の課題も残されていると考えられるため、企業としての責任ある運用体制が問われる局面になるだろう。
参考:Starbucks公式「Green Dot Assist のご紹介」
https://about.starbucks.com/press/2025/meet-green-dot-assist-starbucks-generative-ai-powered-coffeehouse-companion/