ネクスウェイ「店舗matic」新オプション公開 AI翻訳とルビ対応

2025年6月9日、国内IT企業のネクスウェイは、チェーンストア向けクラウドサービス「店舗matic」に新たなオプションとしてAI翻訳とふりがな生成の機能を追加したと発表した。外国人スタッフとの情報共有を円滑にし、現場オペレーションの質向上を図る狙いがある。
AI翻訳とふりがな生成で多言語対応を実現
ネクスウェイが展開する「店舗matic」は、流通・小売・飲食などのチェーンストア事業者向けに開発されたクラウド型情報共有ツールである。店舗運営に不可欠な本部との連絡手段として、掲示やスケジュール管理、文書共有、売場の写真報告など、複数の業務を一元管理できる。
今回追加されたAI翻訳オプションは、本部から配信される通知や業務連絡を、ベトナム語・インドネシア語・ミャンマー語など14言語に自動翻訳する。これにより、日本語に不慣れな外国人スタッフも、母国語で内容を正確に理解できるようになる。
チェーンストア業界では多国籍な人材活用が進んでおり、言語の壁が現場オペレーションの支障となることが多かったが、この機能はその解消を目的としている。
さらに、AIルビ(ふりがな)生成機能も同時に実装された。文書内の漢字に自動でふりがなを付与することで、翻訳では伝えにくい日本語特有のニュアンスや業務用語を、読みやすく直感的に理解できるようになる。この機能は、外国人スタッフの日本語習得も支援する設計となっている。
外国人労働者の定着と戦力化に寄与 現場の多言語化に追い風
今回のAI翻訳機能は、店舗現場における言語バリアの解消を通じて、スタッフの業務理解と指示の正確性を高める効果が期待される。特に即時対応が求められる販促指示や衛生管理の通達などで、ミスや遅れを防げる可能性がある。
チェーンストア業界では、深刻な人手不足を背景に外国人労働者の採用が急増している。だが現場では、日本語を完全に理解できないことによるミスや、業務負担の偏りといった課題が根強かった。
ネクスウェイの新機能は、こうした現場の実情に即した対応であり、多国籍チームのマネジメントを支援するものと位置づけられる。AIによる自動翻訳とふりがな付与を組み合わせることで、単なる言語の置き換えではなく、文化や理解度の違いを補完しながらの情報伝達が可能となる。
今後は、通知の自動生成機能やAI検索などの実装も予定されており、現場の効率化と省力化がさらに進む見通しだ。AIを用いた本部店舗間コミュニケーションの進化が、チェーンストア全体の生産性向上に寄与すると期待される。