FIFA公認の新作ゲーム「FIFAライバルズ」、adidasと提携 限定デジタルアイテムを展開へ

2025年6月6日、スポーツブランドのアディダス(adidas)は、FIFA公認の新作モバイルゲーム「FIFAライバルズ(FIFA Rivals)」と複数年契約を締結したと発表した。ゲーム内でアディダス限定のデジタルアイテムを提供し、世界規模でのブランド展開を強化する。
adidas、FIFA公認ゲームに参入 ゲーム内でデジタル製品を提供
FIFAとMythical Gamesが共同開発する新作モバイルゲーム「FIFAライバルズ」に、adidasが公式パートナーとして参画する。
adidasは同ゲームとのライセンス契約を通じ、デジタルユニフォームやスニーカー、限定マッチボールといったゲーム内アイテムを提供するとしており、プレイヤーはこれらをゲーム内報酬やイベントで入手できる。
「FIFAライバルズ」は、ユーザーが実在のクラブチームや選手で構成されたチームを操作し、リアルタイム対戦や選手カードのトレードが楽しめるブロックチェーン対応ゲームだ。
取引は「ミシカルマーケットプレイス(Mythical Marketplace)」上で行われ、デジタル資産は「ミシカルプラットフォーム(Mythical Platform)」の管理型ウォレットに保管される。
ゲームは2025年6月12日に、iOSおよびAndroid向けに全世界で配信予定である。
App StoreおよびGoogle Playを通じてダウンロードが可能となっている。
adidasのWeb3戦略が本格化 NFT連携や限定コンテンツで存在感
アディダスによる「FIFAライバルズ」参入は、従来のeコマースやスポーツ広告とは異なる、Web3時代の新たなブランド浸透手段と捉えられる。
ユーザーはアイテムを収集・装着するだけでなく、NFTとして売買・所有も可能であるため、ブランド価値の拡張が期待できる。
同社は2025年5月にも、Suiブロックチェーン上のゲーム「XOCIETY」と連携し、NFTコレクション「ALTS by adidas x XOCIETY」をリリースしている。
このような連続的なブロックチェーン領域への進出は、若年層およびWeb3ユーザーへの訴求強化を狙った長期戦略であると考えられる。
一方で、NFT市場全体の変動性や、ブロックチェーンゲームに対する一般層の認知拡大には課題も残る。「FIFAライバルズ」の成功には、ユーザーのUX設計と信頼性ある運営体制の確保が不可欠となるだろう。
FIFA自体もNFTへの関与を強めており、2022年にアルゴランドと展開した「FIFAコレクト」は、現在アバランチ上の「FIFAブロックチェーン」で稼働中である。
今後もスポーツ×NFTの連携は加速すると見られ、各ブランドの戦略的判断が市場形成に影響を与えていくと考えられる。