Apple Watch向け「watchOS 26」発表 AI搭載で健康管理と利便性が大幅進化

2025年6月10日、米AppleはWWDC 26で最新のApple Watch用OS「watchOS 26」を発表した。今秋リリース予定で、新デザインや高度なAI機能が搭載され、ユーザーの日常体験が大きく進化する見込みだ。
watchOS 26、新デザインとAIが健康管理を強力サポート
「watchOS 26」の最大の特徴は、新デザイン「Liquid Glass」の採用とAI機能の強化だ。Liquid Glassは画面表現を滑らかにし、コントロールセンターや文字盤、アプリの操作感を向上させる。見た目の美しさだけでなく、操作の快適さも高まった。
AI機能では、新たに「Workout Buddy」が導入される。Apple Intelligence(※)を基盤に、ユーザーのワークアウトデータや活動履歴をリアルタイムで分析し、音声で励ましやアドバイスを行う。合成音声は複数の種類から選択可能だが、初期段階では英語のみ対応する。
「Smart Stack」も進化し、位置情報や利用習慣を踏まえた予測提案が可能になる。
たとえば、ジム到着時にワークアウト機能を提示し、利便性が高まる。
さらに通知音は周囲の環境音を検知し自動調整されるほか、「手首フリック」という新ジェスチャーで通知の消去や着信音の停止が簡単にできるようになった。
加えて、Apple Intelligenceのアップデートにより、メッセージアプリにはライブ翻訳機能と内容に応じた提案が加わり、メモアプリも新たに搭載される。
開発者向けには改良APIが用意されているため、位置情報連動などの機能拡張も可能だ。
※Apple Intelligence:Appleが開発したAI技術群の総称で、機械学習を用いた解析や予測機能を指す。
AI搭載の進化がもたらす利便性と今後の課題
watchOS 26のAI機能強化によって、Apple Watchは単なる健康管理ツールから、よりパーソナルなトレーニングパートナーへと進化する可能性がある。
特に、Workout Buddyのリアルタイムフィードバックやスマートスタックの高度な予測は、日々の活動を最適化しやすくするため、多忙なビジネスパーソンにとって大きなメリットとなるだろう。
一方で、AIが収集・解析する膨大な健康データや行動情報のプライバシー保護は引き続き重要な課題だ。Appleはデータ保護に注力しているものの、AIが提案内容を誤った場合の対応や、ユーザー依存のリスクも考慮する必要がある。
将来的には、多言語対応の拡充やAI音声の精度向上にも期待したい。
また、開発者向けAPIの進化によりサードパーティアプリが独自のAI機能を実装すれば、Apple Watchのエコシステム全体の価値は飛躍的に向上するだろう。
こうした技術進化は、ヘルスケア分野だけでなく、日常のコミュニケーションや生活支援においても革新をもたらす可能性が高い。
watchOS 26は、Apple Watchの利便性を根本から押し上げる節目のアップデートになるだろう。