グーグル認定のAI講座が無料に 日本リスキリングコンソーシアムが先着1万人対象に提供開始

2025年6月5日、日本リスキリングコンソーシアムは、Google認定のAIプロンプト講座「Prompting Essentials」を新規会員先着1万人に無償で提供すると発表した。
国内のビジネス人材を対象としたAIリテラシー向上策として注目できる。
プロンプト設計を短期習得 グーグルが認定講座を無料開放
AIとの対話精度を高める「プロンプティング(※)」スキルを体系的に学べるオンライン講座「Prompting Essentials」が、Google認定のもと、日本国内で無料提供される。対象は日本リスキリングコンソーシアムの新規会員で、先着1万人に限定される。
同講座は、10時間以内で完結する日本語対応のプログラムで、通常は約7,000円(49ドル)で提供されている。講義はGoogleのAI専門家が担当し、修了者には認定証が付与される。
5ステップに分かれたカリキュラムでは、明確かつ効果的なプロンプト作成法や、業務に活用できる再利用可能なライブラリの構築方法が学べる。
想定受講者は、生成AIツールの導入を検討している企業担当者や、コンテンツ制作・データ分析・業務自動化などを担うビジネスパーソン。特にAIを業務効率化やクリエイティブ支援のパートナーとして活用したい層を主な対象としている。
加えて、AIやデータ分析、サイバーセキュリティなどGoogle提供の3種の「Career Certificates」講座も無償受講が可能となる。会員登録後、専用ページから「グーグル合同会社」「認定書」「無料」の条件で検索すれば申し込みが完了する。
※プロンプティング:生成AIに対し、目的に応じた具体的な出力を引き出すための指示文や入力方法のこと。
日本リスキリングコンソーシアム:https://japan-reskilling-consortium.jp
スキル格差の是正と生産性向上 広がるAIリテラシー普及の波
AIリテラシーの底上げは、国を挙げた人材再教育(リスキリング)戦略の要となっている。今回の無料講座は、Googleの技術力と日本リスキリングコンソーシアムのネットワークを活用し、全国規模でスキル格差の是正を図る試みといえる。
同コンソーシアムは現在、250以上の自治体・企業と連携し、地域・年齢・性別を問わない人材育成のインフラを構築中である。2025年6月時点で提供プログラムは1,500件を超え、受講者は累計50万人以上に上る。
この実績が、AI分野の教育普及にも大きな土台となっている。
一方で、AI技術の変化は非常に速く、学習内容がすぐに古くなってしまう可能性もある。
さらに、講座を受けたからといってすぐに実務で使いこなせるとは限らず、学んだことを仕事に活かせるかどうかは、個人の理解度や職場での環境に大きく左右される。表面的な受講だけで終わってしまえば、身につくスキルも限られてしまうだろう。
今回の講座がもたらす効果としては、生産性の向上、意思決定の高速化、ひいては企業競争力の強化が挙げられる。
無料枠が埋まり次第有料化に移行する可能性も高く、AI活用に出遅れたくない企業や個人にとっては、まさに今が動くタイミングといえるだろう。