メタプレックス財団が「Bubblegum v2」発表 ソラナ圧縮NFT技術で運用を革新

2025年5月30日、米メタプレックス財団がソラナおよびSVM向けの圧縮NFT技術「Bubblegum v2」を発表した。従来比でスケーラビリティと機能性を大幅に向上させ、Web3ビジネスにおけるNFT活用の常識を塗り替えるアップグレードとなる。
ソラナでのNFT運用が革新 大量発行・高機能化を実現
メタプレックス財団は、SolanaブロックチェーンおよびSolana Virtual Machine(SVM)上で利用可能な圧縮NFT技術「Bubblegum」の次世代版となる「Bubblegum v2」を正式リリースした。
これにより開発者や企業は、これまで以上に低コストかつ高速でNFTを大量発行・管理することが可能になる。
圧縮NFTとは、オンチェーンでの整合性を保ちつつ、メタデータをオフチェーンに保管することでストレージコストを大幅に削減したNFTの仕組みである。
「Bubblegum v2」はこの技術のアップグレード版であり、従来の10億個に及ぶアセット作成実績をベースにスケーラブルかつプログラマブルな運用が可能となった。
新たに導入された「パーミッションプラグイン」では、NFTの転送や譲渡を制限するソウルバウンド機能や、フリーズといったアセットライフサイクル管理が実現可能だ。
さらに、スマートコントラクトに明示された条件下でのみこれらのイベントが実行されるため、ユーザー保護の観点でも優れている。
Web3とAI時代に最適化 高機能NFTがもたらす新市場
「Bubblegum v2」が持つ最大の意義は、NFT技術を単なるデジタル所有権の証明から実用性を備えたアセット管理の基盤へと進化させた点にある。
従来のNFTは、高コストや非効率性が課題とされていたが、本アップグレードによりWeb3企業のエンタープライズ利用が一気に現実味を帯びてきたと言える。
実際に、ローンチ初日から複数のパートナーによる採用が始まっている。
高級ワインのトークン化を目指す「dVIN」は、15万個の「デジタルコルク」NFTをミントし、希少ボトルの追跡と所有権管理に応用予定だ。
また、クロスミントは、自社APIにBubblegum v2を統合し、デジタル製品パスポートやWeb3ロイヤリティ施策への展開を開始するとしている。
同社プロダクト戦略責任者ニシャイ・ウパディヤユラ氏は、「『バブルガムv2』はソラナでのNFTの使用方法を根本的に変える。このアップグレードによりスケーラブルなweb3ロイヤルティ、デジタル製品パスポート、実世界での検証可能アセットが実現する」と語っている。
さらにMatrica Labsをはじめとする開発者向けツール群や、RPCプロバイダーのHelius、Triton、QuickNode、主要ウォレットのPhantomやSolflare、NFTマーケットプレイスのMagic EdenとTensorなども即時対応を表明している。
今後も、ソラナエコシステム全体での本格導入は加速するだろう。